研究課題/領域番号 |
22K20084
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
渡瀬 綾乃 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (10967376)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 民俗学 / 宗教民俗学 / 動物供養 / 講 / 犬供養 / 猫供養 / 安産祈願 / 犬 / 猫 / 地域社会 / 祭祀 / 民俗信仰 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、茨城県と千葉県という広域の調査に基づいた犬や猫を中心とする動物供養の考究による、安産祈願の犬供養習俗並びに動物供養に関する研究の発展を目的とする。 そのため本研究は犬供養研究の2つの課題(①動物供養と安産祈願の結節点、②仏教民俗における犬供養の位置づけ)を設定し、調査手法として千葉県と茨城県の広域な分布調査と重点調査を複合する。 本研究は、関東地方型の犬供養・猫供養を動物供養研究史および仏教民俗の中に位置付け、産育における動物供養と寺社や宗教者の連関性を考究する民俗学的研究である。
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研究成果の概要 |
文献調査のなかで、動物の供養に付される習俗の特徴を捉え、過去の民俗調査と現在の自身の民俗調査を補完する資料を得ることができた。現地調査では、犬供養猫供養の講解散後の推移や、動物供養以外の安産祈願を調査した。さらに安産祈願に伴うモノへも着目し、動物以外に地蔵尊、不動尊、仁王といった幅広い対象があることを把握した。加えて、犬供養・猫供養を動物供養研究史上の位置づけとともに、寺社信仰との連関性を明らかにする作業を進めた。 最終年度には、継続した調査と並行して、学会発表と論文による研究成果の公表をおこない、今後の本研究のさらなる進展の可能性を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、千葉県と茨城県の広域における猫を中心とする動物供養を研究対象にした、安産祈願の動物供養習俗並びに動物供養に関する研究の発展を目的とした産育における動物供養と寺社や宗教者の連関性を考究する民俗学的研究である。同じ安産祈願のための動物供養の犬供養と猫供養の分布の傾向や、各地に残る御詠歌の差異からその信仰の伝播の経過の示唆や、地域の講集団と寺社信仰との関連性を指摘した。また、信仰の母体である講集団の解散後の信仰も明らかにし、文研調査と現地での民俗調査、過去の民俗調査記録から今後の安産祈願と動物供養の可能性を見出した基礎的な研究である。
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