研究課題/領域番号 |
22K20096
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
藤田 大智 成蹊大学, 法学部, 助教 (60964616)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 気候変動 / 国際環境法 / 国際人権法 / 公衆参加 / 透明性 / 国際気候変動法 / 国際法形成 |
研究開始時の研究の概要 |
温室効果ガス排出規制の国際交渉は、パリ協定を含む気候変動枠組条約体制と国際海事機関、国際民間航空機関の3つの条約体においてなされる。気候変動は、生命・土地・水に対する権利を始め国際・国内人権法上、個人・集団の権利を侵害していると捉える傾向が近年高まってきた。同時に、3つの条約体は、それぞれ気候変動交渉の意思決定において、オブザーバー参加、文書公開等の透明性確保を要素とする公衆参加態様を強化してきた。本研究は、気候変動問題に連関する人権問題の顕現化が、国際気候変動交渉における非国家主体の参加・透明性確保に対して与える影響を明らかにし、公衆参加の類型化と理論化を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、気候変動問題に関する人権課題が、国際交渉の公衆参加態様の改変に与えたインパクトという、従来着目されていなかった人権問題の顕現化と公衆参加態様の変化の関係に焦点を当てた。気候変動に関する人権課題の指摘・共有の増加と、各条約体における公衆参加態様の変化との相関関係をはじめ、2000年代以降の気候変動問題に連関する人権問題の顕現化が、国際交渉における非国家主体の参加・透明性確保に対して与えた影響の存在を明らかにした。同時に、人権アプローチの公衆参加への影響の下、条約体間で公衆参加態様の変化に異同が生じる理由を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人権アプローチの公衆参加への影響と、条約体間で公衆参加態様の変化に異同が生じる理由を明らかにする課題について、条約体制間相互作用による国際人権基準の形成課題という新たな理論的視点を提示した。これにより、相互作用に参加する構成員の立場を認識し、国内外の討議・説得場面、主体、説得対象としての内容等、相互作用の結果に影響を与える要素を把握可能とし、人権規範や公衆参加に関する規範の相違が国際法学上もつその意義を明らかにした。伝統的国際法では、国家同意が法形成における排他的要素とされたが、国際社会の普遍的価値である人権実現に関する各国家の役割が、条約体制間相互作用によっても画定されることを示した。
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