研究課題/領域番号 |
22K20108
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小椋 郁馬 茨城大学, 人文社会科学部, 講師 (40965612)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感情的分極化 / アメリカ政治 / 世論 / サーベイ実験 / 分極化 / 政党帰属意識 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のアメリカでは、民主党に帰属意識を持つ有権者が共和党支持者を、共和党に帰属意識を持つ有権者が民主党支持者を嫌い、互いに交流を避けようとする、「感情的分極化」と呼ばれる現象が深刻になっている。本研究では、アメリカの有権者が民主党/共和党支持者の社会的な属性や政策争点態度についてステレオタイプを持っていることに着目し、独自のサーベイ実験を行うことで、(A) 政党ステレオタイプが感情的分極化に与える効果及び(B) 政党ステレオタイプを修正する情報が感情的分極化を低減させる効果を実証的に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、アメリカの有権者における感情的分極化の要因や緩和方法、及びその帰結を、実証的に明らかにすることである。まず、サーベイ実験を行い、人々が民主党/共和党支持者の社会経済的属性や争点態度について持つ政党ステレオタイプを修正することで、感情的分極化が緩和できることを明らかにした。また、既存の世論調査データの二次分析を通じ、民主党/共和党支持者が実際に異なる社会経済的属性を持つようになるメカニズムを検証した。さらに、サーベイ実験を通じて、世論調査への回答に際し、真の選好や認識ではなく、党派性に基づいた態度を表明する現象が、アメリカの有権者の間で見られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アメリカの有権者における感情的分極化の要因、緩和方法、及び帰結に関し、先行研究では十分に明らかにされていなかった点について実証的検討を行なったものである。そのため、本研究で得られた知見は、いずれも政治行動論分野の先行研究に貢献するものである。 また本研究は、アメリカの有権者行動に関してデータの収集及び分析を行うことで、日本の重要なパートナー国であるアメリカの政治や社会についての理解に資するという社会的意義を有する。また、感情的分極化はアメリカ以外の国についても見られる現象であることから、感情的分極化の諸相を実証的に明らかにする本研究は、アメリカという文脈を超えた価値も有する。
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