研究課題/領域番号 |
22K20113
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 聡 立命館大学, 国際関係学部, 嘱託講師 (00965741)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 民族政治 / 民族政党 / クライエンテリズム / パトロネージ / 政治経済学 / ボスニア・ヘルツェゴヴィナ / ナショナリズム / ボスニア・ヘルツェゴビナ / クライエンタリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、民族主義的な政治行動の経済的起源の解明を試みるものである。従来、民族紛争や民族暴動、分離独立運動、民族主義政党の台頭など、民族的な政治行動の原動力は人々がもつ民族的アイデンティティに起因すると考えられてきた。これに対して本研究では、政治家が市民に対して選挙時の支援と引き換えに公的な資源を優先的に分配する「クライエンタリズム」に着目し、民族政治とクライエンタリズムの交差点を探ることにより、政治経済学の観点から民族が持つ政治的動員力を探る。
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研究成果の概要 |
本研究は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナを事例に、民族主義政党がパトロネージを用いて支持調達を図る社会的条件の検証を通して、民族政治の経済的な基盤を探るものである。研究期間を通して、ボスニアでの二度の現地調査を行った。一度目はボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦(FBiH)を中心に、二度目はスルプスカ共和国(RS)を中心に調査を行い、それぞれのエンティティの地方都市を訪問して政府や市役所、企業等でインタビュー調査を行った。そこで得たデータを、現地新聞等の文献調査、統計分析と組み合わせ、論文としてまとめたものを現在、国際査読誌へと投稿中である。また、国内、国外の学会での研究報告も予定している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代政治において「民族」はときに急進的な動員力を発揮し、紛争や暴動、分離独立運動、極右政党の台頭など、様々な社会不安を引き起こす要因となりうる。従来、これら民族的な政治行動の原動力は人々が持つ民族アイデンティティに起因するものと考えられてきた。これに対して本研究では、パトロネージ政治、すなわち公的資源の分配(例えば役所での職業機会の斡旋、予算の分配、行政サービスの提供等)を引き換えにした選挙で支持調達の分析を通して、民族主義政治の物質的な側面を明らかにすることに本研究の意義がある。これら研究が進めば、民族紛争を解決する平和構築の政策を政治経済学の観点から検証することが可能である。
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