研究課題/領域番号 |
22K20116
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
早崎 成都 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 助教 (40963749)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 再分配政治 / 財界 / 富裕層 / ロビーイング / アメリカ政治経済 / 財政政策 / 予算政治 / 累進課税 / 財政社会学 / クリントン政権 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主としてクリントン政権期に着目し、財界・富裕層と二大政党の間の相互の関係に重点を置いて、現代アメリカの予算編成過程を分析する。財界や富裕層に重点を置くのは、この両者がアメリカの再分配政策・社会支出の拡大を阻止し、その構図が現在の深刻な経済格差の根源にあるとする見解が広く受け入れられ、重要な課題として捉えられているからである。本研究はこうした見解を批判的に分析し、財界・富裕層の多様性を明らかにするとともに、その多様性が予算の決定にどのように影響を与えるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
国立公文書館アーカイブス2、ニクソン、フォード、カーター、レーガンの各大統領図書館を訪問して収集した史料から次のような知見が得られた。それぞれの時期において直面する経済状況が異なり、財界の反応はその状況に応じて異なっていた。より詳細な検討の必要があるが、財界団体と政治は財政政策に関しては1970年代までは協調的な関係にあったと言いうる。レーガンの税制改革をめぐっては、業種や規模ごとに財界は税制改革に対して異なる反応を見せた。特に1982年以降の増税策に関しては不満の持つ財界団体は少なくなかったが、多くの団体が最終的に賛同を示した。これらの団体は政策の損得よりも政権との強調を重視したと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
財界・富裕層が財政政策に対してどの程度の影響力を持っているか、についてはこれまで様々な主張がなされてきた。本研究は、主として歴史史料を用いつつ、それぞれの時期ごとの文脈、業種や規模による政策選好の違い、政治的な党派等の要因を考慮しなければ、財界・富裕層と財政政策の関係を読み解くことができないことを明らかにしている。また、財界・富裕層は政治家に対して影響力を与えるだけでなく、逆に政治家からの影響も受けることも明らかになった。政治家は、自らの推進する政策が支持を得られない場合に、支持を得られるように様々な策を講じる。財界・富裕層の影響力はこれらの複合的な要因を勘案して測られる必要がある。
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