研究課題/領域番号 |
22K20127
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
寺本 和弘 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (20961965)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 労働経済学 / 企業内労働市場 / ミクロ実証分析 / 労働市場 / マクロ経済 / ミクロデータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではオンライン名刺データを用いることで、企業内労働市場のフローを可視化し、既存研究が直面してきたその測定の難しさを克服する。その上で、まず(i)企業内労働市場と企業外労働市場がどのように関連しているのかという問いに実証的に答える。さらに、マクロ経済モデルのレンズを通して(ii) 労働者の企業内のフローがマクロ経済とどのような関わりを持つのかという問いに迫ることが本研究の主眼である。
|
研究実績の概要 |
本研究は(i)日本の名刺データを用いた企業内労働市場に関する実証研究と(ii) 企業内労働市場を含んだマクロ経済モデルの構築という二つのプロジェクトからなる。 2022年度は、主にプロジェクト(i)を中心に取り組んだ。名刺データを分析に用いる利点は、個人が勤務している企業、部署、職位、および勤務地の情報が含まれるため、昇進(職位の上昇)と水平的配置転換(同じ職位での部署や勤務地の異動)を明確に分けることができる。名刺データの提供元であるSansan株式会社とのデータの利用契約に関しては、本基金の採択前に済ませており、すでにデータ分析を開始している。名刺の文字情報から職位を定める作業がもっとも時間を要すると予想されたが、その作業に関しては2022年度に完了することができた。また、ミクロ実証分析に関しても、前述したデータ整備とともに進捗しており、2022年度中に本プロジェクトに関して学会発表やセミナー報告をすることができた。 プロジェクト(ii)に関しては、2022年度中に転職と企業が負担する従業員研修の関係性をモデル化したAcemoglu and Pischke (1998, 1999) などの近接研究のレビューを行い、2023年度に向けて準備を進めることができた。現在、モデリングデザインの方向性に関して、様々な案が存在しているが、ミクロ実証分析の主な結果が固まり次第、その方向性を固めていく。 2023年度は、前半には、ミクロ実証分析を完了し、マクロ経済モデルの構築(プロジェクト(ii))に本格的に着手する予定である。また、ミクロ実証分析パートに関しては、2023年度中に論文化を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記述した通り、2つプロジェクトのうち、プロジェクト(i)日本の名刺データを用いた企業内労働市場に関する実証研究に関しては、2022年度中に、データ整備をほぼ完了し、ミクロ実証分析を行う段階まで進展することができた。また、データ整備とともにミクロ実証分析の方法の考案に関しても同時並行で大いに進捗があり、一部の結果に関して学会報告やセミナー報告を行うことができた。プロジェクト(i)に関しては、特にデータ整備に関して1年程度時間を要すると予想されていたため、おおむね当初の予定通りに進展していると評価する。
|
今後の研究の推進方策 |
プロジェクト(i)日本の名刺データを用いた企業内労働市場に関する実証研究に関しては、2022年度中におおむねデータ整備を終えることができた。一部を残ったデータ整備を2023年度の早い段階で終え、ミクロ実証分析に移る。それらの結果を学会報告等を通じて報告を行うことで、フィードバックをもらい、ミクロ実証分析に関して2023年度中に論文化する予定である。 プロジェクト(ii)に関しては、モデリングデザインの方向性に関して、現在、様々な案が存在している。ミクロ実証分析の主な結果が固まり次第、モデリングデザインの方向性を固めていく。
|