研究課題/領域番号 |
22K20132
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
羽村 靖之 京都大学, 経済学研究科, 講師 (00964983)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ベイズ分析 / 計数データ / 集計データ |
研究開始時の研究の概要 |
様々な異質な情報源から得られる多次元データを有効活用するための方法について、実際の応用を意識しつつ、理論的・数値的に研究する。例えば外れ値が含まれているデータを用いて頑健な分析を行うための手法について、最近の展開を踏まえて研究する。また、個別の項目毎の観測値に加えて集計値も得られている場合にこれらの両方を利用するための方法について考える。
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研究実績の概要 |
外れ値を含むデータを分析するための手法に関して、ベイズ統計学の枠組みで研究を行った。一般に、関心のある量に関係のない外れ値がデータに含まれている場合は、そのような外れ値を除去し、極端ではない観測値のみに基づく分析を行うことが目標とされる。しかし、特に多次元の場合に、分析者がデータを見て外れ値を直接特定することは必ずしも簡単ではない。このため、外れ値を含む全てのデータを入力しても外れ値を除去できた場合と同様の出力が得られるような手法、即ち分析に対する外れ値の影響が自動的に取り除かれるような手法を構成することが求められる。 このような問題設定の研究を、観測データが正の値のみを取り得る連続データである場合に行い、特に論文の投稿に向けて基本的な理論分析を行った。この研究に関して、2023年度統計関連学会連合大会において、口頭発表を行った。また、観測データが離散データである場合を扱った論文の改訂を行った。この研究に関して、 Workshop on Recent Developments in Econometric Theory and Its Applications 2023 において、口頭発表を行った。さらに、手法の頑健性を証明するための方法について考察し、観測データが負の値も取り得る連続データである場合についても、新たな結果を導いた。この研究に関して、第18回日本統計学会春季集会において、ポスター発表を行った。 以上の他にも、例えば、数値的なベイズ分析に関連するシミュレーションの手法に関する研究を行った。ある行列分布に関する論文が、査読付き国際学術誌である Journal of Computational and Graphical Statistics に受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
正の連続データのための頑健なベイズ分析に関する研究において、事後分布からのサンプリングの方法に関する問題が生じた。新たに取り組んだ、シミュレーションに関する研究は、時間を要した。現在進行中の、共分散行列の頑健な分析に関する研究は、調べるべき事項が多い。最近、計数データに基づくベイズ回帰の頑健性に関する論文について、掲載を目指している投稿先から二度目の改訂要求の連絡があった。
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今後の研究の推進方策 |
新たに取り組んだ、シミュレーションに関する研究については、論文の形で投稿したい。正の連続データのための頑健なベイズ分析に関する研究についても、適当な数値分析を行った上で、論文を投稿したい。さらに、これまでに行った、頑健なベイズ分析に関する研究で得られた知見を活かしつつ、共分散行列の頑健な分析に関する研究を進めたい。この研究は、特にランクの高いジャーナルに論文が掲載されることを目指して、論文をまとめたい。
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