研究課題/領域番号 |
22K20161
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 誠 京都大学, 経済研究所, 教授 (40899811)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 取引仲介の経済学 / プラットフォーム / ミドルマン / 評判 / 電子取引 / 市場の透明性 / サーチモデル / レモンの市場 / 檸檬の市場 / 取引仲介 / サーチ中毒 |
研究開始時の研究の概要 |
最近のオンライン・プラットフォームでは、アマチュア仲介業者が氾濫し、過剰広告にあふれ、サーチ中毒ともよべる現象が起きている。本研究では、仲介スキルを代替する評判メカニズム、プラットフォーム・モードという新たな仲介モード、コロナ禍に代表される販売制約という、新しい3要因を明示的に考慮したオリジナルの経済モデルを提示し、なぜこうした現象が起こるのか、それは経済学的にみて政策介入が必要なものなのか、もし必要だとしたらどのような政策が最適かを分析する。そして消費者保護の観点からみて、仲介ビジネスへの望ましい参入規制や、構造変化を加味した安定化政策、産業規制について新しい視点を提供する。
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研究成果の概要 |
研究期間内に実施した研究及びその成果の概要についてプロジェクトごとにまとめると、まずプロジェクト1.「取引仲介の不安定性と仲介モード」では、仲介モードの選択という視点から市場構造が内生的に形成されるメカニズム、また、取引経済において取引の不安定性が鵜荒れる条件、特に、評判メカニズムが仲介スキルを代替するメカニズムや評判メカニズムと崩壊との関係、そして取引不安定性の起こる頻度や規模を解明した。プロジェクト2.「情報過多やサーチ中毒を誘発する仲介市場」では、プラットフォームにおいて過剰なサーチが発生するメカニズムやその効率性、また、サーチ市場における販売制約と価格メカニズムの関係について分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
取引仲介の理論として、レモンの市場における評判や市場の不安定性、また、サーチ市場を効率化する副産物としての情報過多やサーチ中毒を明示的に考慮したモデルは、既存研究では今のところ開発されておらず、本研究は学術的意義を有している。現実には、取引仲介という経済行為には必ずしも好意的に受け取られない帰結が伴う。さらに、これら諸問題は取引仲介の技術革新によって深刻化するケースも多い。このような問題意識からモノやサービスの仲介についての経済分析を行うことで、なぜこうした現象が起こるのか、それは政策介入が必要なものなのか、もし必要だとしたらどのような政策がベストであろうかを考えている点で社会的意義がある。
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