研究課題/領域番号 |
22K20162
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩瀬 祐介 京都大学, 経済学研究科, 講師 (80968389)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マッチング理論 / マッチング / 相互依存性 |
研究開始時の研究の概要 |
労働市場における労働者と企業、医師研修制度における研修医と病院のような、2つのグループ間のメンバーの結び付き方をマッチングと呼ぶ。マッチング理論は、こうした市場におけるマッチングの望ましさを比較・検討し、理論と実践の双方で発展を遂げてきた。 多くのマッチング市場では、経済主体の相互依存的な意思決定がしばしば観察される。例えば日本における医師研修制度では、都道府県単位で受入医師数に制限があり、同都道府県内のある病院が多くの医師を受け入れようとするとき、他の病院が受け入れる医師の人数が制約されうる。本研究では、経済主体の意思決定が他者の意思決定にも依存するような理論モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度より継続してきた2つの研究を進展させ、また新たに1つの研究を始めた。 "Efficient and (or) fair allocations for market-wise admissible sets" (旧タイトル: Feasibility-constrained matching markets)と題する研究に関して、金沢星稜大学、京都先端科学大学、慶應義塾大学の3つの会場で研究報告を行い、専門家からアドバイスをいただいた。助言をもとに論文を修正し、すでに国際学術雑誌に投稿を行った。本研究は、制約つきマッチングの既存研究のほぼ全てを含む形で一般的な結果を得ることに成功し、統一した視点で制約つきマッチングの理論を俯瞰できるようになった点で意義深いと言える。 "Nash implementation in matching with contracts"と題する研究に関して、昨年度までに得られた結果に大幅に結果を追加し、現在は国際学術雑誌に投稿する準備段階にある。 "Stability, efficiency, and the application-rejection mechanism"と題する研究は今年度新たに始めた研究である。相互依存性のあるマッチングマーケットの基礎研究として、主に中国の大学入試制度で採用されているApplication-rejection mechanismを理論的に解明した。特にマッチングの安定性と効率性に着目し、当該メカニズムが安定性と効率性を満たすための必要十分条件の導出に成功した。既存研究と比較して、導出した条件は政策変数にも依存しているため、政策変更によるマッチング結果への影響を容易に分析できるようになったことが最大の貢献である。
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