研究課題/領域番号 |
22K20164
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石川 祐実 神戸大学, 経済経営研究所, 助教 (40960787)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 父親の育児休業 / 母親の就業 / 女性の健康 / 母子の健康 / 職場環境 |
研究開始時の研究の概要 |
なぜ日本で父親の育休取得が進まないのだろうか。本研究では、その促進要因と効果を検証する。[研究1]では個人、家庭、職場に着目し、各レベルにおける促進要因を炙り出す。[研究2]では、父親の育休取得が母親の就業を促進させるか、母親と子供の健康を増進させるかを明らかにする。 二つの研究を通じて父親の育休取得率向上を目指すための基礎統計を提供する。本研究は実験や計量上の工夫により因果効果の解明を目指す点と健康を包括的・客観的に捉える点に特徴がある。
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研究実績の概要 |
日本の育休は国際的に評価される充実した制度である一方で日本における父親の育休取得率は他の先進国に比べて低い。本研究は、父親の育休取得要因と取得効果を検証することを目的としている。
本年度は第一に、育休取得効果の検証として、父親の職場での育休の取りやすさが母親の就業確率に影響を与えるのかを明らかにした。具体的には、父親の職場での育休の取りやすさを業種別の男性育休取得率の平均値で捉え、母親の就業確率に与える影響を分析した。分析の結果、父親の業種で男性育休取得率が高まることが、母親の就業確率を高めることが明らかとなった。ただし効果の大きさは限定的である可能性が残された。さらに、父親の職場における育休の取りやすさの変化が母親の就業に影響を与える背景のパスとして父親の育児参加度合いの変化に注目した。分析の結果、効果の大きさは限定的であるが、父親の業種で男性育休取得率が高まると父親の育児参加確率が有意に高まることが確認された。一方で、父親の職場での育休の取りやすさが母親のメンタルヘルスを含む健康状態に対する影響については頑健な結果が得られなかった。
第二に、家庭レベルの育休取得要因の検証として、女性の健康に着目した実験を行った。ランダム化比較試験により、女性の食事制限に対するソーシャルノームの認識を修正することで女性の過度な食事制限を抑制することが可能か、その効果は性別役割分担の意識によって異なるかを検証した。ソーシャルノームの認識を修正することで不必要な食事制限への価値観が変化することが明らかになった。また、ソーシャルノームの認識修正の効果は実験後1週間時点でも観察された。一方で食事制限を抑制する効果については頑健な結果が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対面で予定していた実験をオンライン実験に切り替えて実施した。
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今後の研究の推進方策 |
速やかに分析結果を論文にまとめ、学会報告等を行い、学術雑誌へ投稿する。
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