研究課題/領域番号 |
22K20166
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
早木 祥夏 香川大学, 経済学部, 准教授 (50964235)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 資産価格モデル / リスク・リターン関係 / ヘッジ動機 / 損失回避 / 習慣形成 / 異時点間CAPM / リスク回避度 / 損失回避性 / レジーム転換モデル / 景気循環 / グローバル化 / リスクとリターンの関係 / 不均質モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,資産価格形成に関する重要な分析対象のひとつであるリスク1単位あたりの リターン(リターン/リスク比)に注目し,リターン/リスク比が経済の状態に応じて変化するメカニズムを実証と理論の両面から明らかにする.本研究ではリスクとリターンが非線形な関係にある可能性を考慮することで,いくつかの先行研究における相反する証拠を統一的に解釈する.また,データを用いてどのような非線形性が観察されるかを解明する.さらに,そのような非線形性が表出するメカニズムを明らかにするため,経済主体の選好の不均質性と損失回避性に着目した理論モデルを提案する.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,資産価格形成に関する重要な分析対象のひとつであるリスクとリターンの関係 (以下,リスク・リターン関係) が経済の状態に依存して変化するメカニズムを実証と理論の両面から明らかにすることであった。本研究では,外的習慣形成モデルに損失回避のアイデアを組み込んだモデルによって,リスク・リターン関係が経済状態に依存して変化するメカニズムを提案し,実証的な証拠を提供した。また,リスク・リターン関係の変動ではなく,ヘッジ動機の変化によって従来研究で考えられてきたリスク・リターン関係からの乖離を捕捉する方法も検討した。現実の市場は両方のメカニズムが混在する可能性があり,今後の研究課題としたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リスク資産のリスクの予測は比較的容易だが,リターンの予測は極めて困難である。伝統的な資産価格モデルではリスクとリターンの明確な関係が指摘されるが,両者の予測可能性の差を踏まえれば,両者が単純な関係にないことは明らかである。実際,リスク・リターン関係に関する多くの実証結果は曖昧であった。本研究では,リスク・リターン関係そのものの変動を探るアプローチと,固定的なリスク・リターン関係からの乖離の大きさの変動を探るアプローチによって,より現実の市場に近い複雑なリスク・リターン関係を明らかにした。これらは,従来研究で指摘されたリスク・リターン関係の性質の多くを説明可能である。
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