研究課題/領域番号 |
22K20174
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
菊池 悠矢 中部大学, 経営情報学部, 助教 (80964270)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 財政競争 / 租税競争 / 失業 / 雇用 / 政策手段 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、財政競争と雇用問題との関係を明らかにし、有効な財政政策を制度設計するのに必要な知見を得ることである。具体的には、各国・地域が有する政策手段の選択問題に関する理論研究を行う。これまでの伝統的な財政競争理論では、国家間・地域間の資本移動のみが着目されており、資本誘致による雇用への影響が十分に分析されてこなかった。しかしながら近年、各国・地域は資本誘致のみならず雇用問題をも考慮して公共政策を決定している。本研究では雇用問題を考慮した財政競争分析のフレームワークを構築し、生じる公共政策の非効率性に関する問題に対してどのような財政政策・制度が有効であるかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、財政競争と雇用問題との関係を明らかにし、有効な財政政策を制度設計するのに必要な知見を得ることである。具体的には、各国・地域が有する政策手段の選択問題に関する理論研究を行う。これまでの伝統的な財政競争理論では、国家間・地域間の資本移動のみが着目されており、資本誘致による雇用への影響が十分に分析されてこなかった。しかしながら近年, 各国・地域は資本誘致のみならず雇用問題をも考慮して公共政策を決定している。本研究では雇用問題を考慮した財政競争分析のフレームワークを構築し、生じる公共政策の非効率性に関する問題に対してどのような財政政策・制度が有効であるかを検証する。 2022年度は各国経済の現状調査と先行研究の整理を行った上で、2023年度の政策分析の基礎となる理論モデルの構築を行った。地域の政策手段に関する研究では、雇用創出を企図する地域の政策決定を想定した理論モデルを構築することで、各地域にとって望ましい政策手段を明らかにした。さらに、人口移動と所得税制度に関する研究では、2種類の労働者が地域間を移動する経済を考慮し、望ましい所得税制度を明らかにした。 経済・通貨統合や自由貿易協定に象徴されるようにボーダレス化・グローバル化が進行することで、企業はますますビジネスチャンスを求めて世界を移動する。これに伴い各国の雇用状況にも大きな影響を与えている。本研究課題は各国にとって共通の政策課題である。また、連邦国家のみならず我が国のように地方分権化を行っている国々においても、国内の地域間で財政競争環境下に陥る可能性が高く本研究の重要性は極めて高い。これら一連の理論研究の成果は、仮説を提供することへもつながっており、実証分析への応用が期待される。また、本研究は証拠に基づく政策決定に資する判断材料を提供することも期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の研究計画は、財政競争と雇用問題との関係を明らかにし, 有効な財政政策を分析することであった。研究計画に沿って、地域の政策手段に関する研究"Unemployment and Endogenous Choice on Tax Instruments in a Tax Competition Model: Unit Tax versus Ad Valorem Tax"をディスカッションペーパーとして公表した。また、研究計画を一部変更し、雇用問題と関連の高い人口移動に着目した所得税制度に関する研究"Optimal Nonlinear Income Taxes in an Overlapping Generations Model"も同様に公表した。研究計画を一部修正・変更した上で進めているものの、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度にあたるため、論文執筆作業に加え、これまでの研究成果の改訂作業と成果発表を積極的に行っていく。具体的には、2022年度に構築した理論モデルを基礎として、財政競争と雇用問題に関する政策的知見を導く。現時点で大きな計画変更は予定していない。
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