研究課題/領域番号 |
22K20178
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
|
研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
湯浅 良太 統計数理研究所, 統計思考院, 助教 (90964487)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 数理統計 / ベイズ統計 / 縮小推定 / 関係データ |
研究開始時の研究の概要 |
各都道府県間の人口移動がそれぞれ何人であるかを都道府県間の関係とみなす事ができる. そうした関係に着目したデータを関係データと呼ぶ. 月毎に都道府県間の人口移動が公表されている場合、1か月分のデータは行列データとして、複数月分のデータはテンソルデータとして自然にみなせる. こうしたデータの行列やテンソルの構造を活かすようなベイズモデルを用いた縮小推定法を提案する. 時系列構造を持ったモデリングや推定精度に関する理論的保証について考える.
|
研究実績の概要 |
当該年度は、行列データに対する縮小推定に関しての研究とテンソルデータでの時系列構造を活かした統計モデリングに関する研究を行った. 行列データに対する縮小推定量では、一般化ベイズ推定量と呼ばれる、良い精度や良い性質を持ち得るが実際に計算するには多重積分に関して困難さを伴うような推定量がある. この一般化ベイズ推定量が積分を含まないような形で表せるようなものを考えた. この成果は国際学術誌Journal of Statistical Planning and Inferenceに掲載された. 行列データは、1つのベクトルに並べなおすことでベクトルデータとみなす事ができる. 全てのデータが似たような性質を持っている場合にはベクトルにして縮小推定を行う事が良く、行列の構造に応じてデータの性質が異なる場合には行列としての縮小を行う方が良い. どちらが良いかをデータが決めるような推定量を提案した. サンプルサイズより次元が小さい場合にも良い性質を持ち得ることが分かった. 数値実験からも想定した性質が確かめられた. この成果は国際学術誌Journal of Multivariate Analysisに掲載された. テンソルデータに対しては、Tucker分解と呼ばれる分解を用いたベイズモデリングを考え、数値実験を行っている. ベイズモデリングを行う上で重要となる一意性の問題も考慮した上で、数値実験を行いながら修正を行っている段階である. 修正の後、今後学会での発表や国際学術誌への投稿を行いたいと考えている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関係データを扱う上での最も簡単な形である、行列データに対する2つの研究が受理・掲載になった点から一定の進捗があったといえる. また、テンソルデータに対する研究においても、シグナルやサンプルサイズなどに関しての条件下で上手く行っている.
|
今後の研究の推進方策 |
テンソルデータに対する研究において、シグナルやサンプルサイズなどに関する条件を緩めても上手く行くように、修正を行う. またコアテンソルに関する縮小についても考える.
|