研究課題/領域番号 |
22K20188
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
本間 まり子 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (50962106)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジェンダー / バングラデシュ / 女性のエンパワメント / ポストコロナ / マイクロファイナンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新型コロナウィルス感染拡大や拡大防止措置(以下、コロナ禍)がバングラデシュ女性のエンパワメントに与えた影響を、マイクロファイナンス(以下、MF)事業を事例として明らかにする。
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研究実績の概要 |
バングラデシュでは、伝統的なジェンダー規範やジェンダー関係の影響により、女性対象のマイクロファイナンス(以下MF)事業を通じた融資金の多くが男性の手にわたるという状態が、MF事業が広まった1980年代から継続しており、所与のものであると捉えられていた。本研究では、新型コロナウィルス感染拡大や拡大防止措置(以下、コロナ禍)により、ジェンダー構造の変化に向けた危機傾向が生じているという仮説をたて、コロナ禍によって生じた、「女性の融資金の活用方法や収入へのアクセス」、「ジェンダー規範に対する解釈」に関する変化を明らかにすることを目指している。事例調査は、(A)コロナ前後の変化、 (B)ポストコロナ禍における意識の変化のプロセス、(C)コロナ禍後の状況、という段階的な変化を捉えるアプローチを用いる。 初年度にあたる2022年度は、2015年に報告者が実施した調査対象者を対象として、インタビューやワークショップを通じて、コロナ禍前後の状況についての聞き取りをおこない、コロナ禍におけるロックダウン及び、2022年2月以降の急激なインフレーションが、多くの世帯に経済的な必要性を引き起こし、女性の収入へのアクセスが促進されるようになってきていることを明らかにした。 2年次にあたる2023年度は、2度の現地調査を通じて、収入へのアクセスを開始した女性たち自身の認識や女性たちを取り巻く状況についての聞き取りをおこなった。調査を通じて、経済的な必要性による緊急対応としての収入へのアクセスが、次第に女性の収入へのアクセスに対する認識の変化を引き起こしていることを明らかにした。 最終年度となる2024年度は、現地調査を通じてポストコロナ以降の変化のプロセスを取りまとめるともに、ジェンダー関係や規範といったジェンダー構造への変化を確認し、研究成果として発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、バングラデシュ北西部パブナ県において実施中のマイクロファイナンス(MF)事業を事例とし、同事業の参加女性を主な対象とする。アクションリサーチの手法を用いて実施している。具体的には、2022年度は1回、2023年度は2回の渡航を通じて、ワークショップや聞き取り調査、参与観察を通じて、(A)コロナ前後の変化、 (B)ポストコロナ禍における意識の変化のプロセス、(C)コロナ禍後の状況について、段階的に状況を明らかにしてきている。調査は、概ね計画通りに進んでいる。また、調査の進捗は、学会報告や投稿論文を通じて発表している。 当初2年間(2022年から2023年度)の予定であったが、1年間の延長を申請し、終了年度を2024年度とした。この変更は、調査の遅れではなく、対象期間を長くすることで変化のプロセスをより明確に捉えることを目指した、前向きな修正である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2024年度は、1回の現地調査を通じてポストコロナ以降の変化のプロセスを取りまとめるともに、ジェンダー関係や規範といったジェンダー構造への変化を確認し、研究成果として発表する予定である。 また、本研究の成果を展開することを目指した研究「バングラデシュ女性のエンパワメント―経済活動、安全、健康を包括する複合アプローチ」が承認されており、2024年度から開始予定である。
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