研究課題/領域番号 |
22K20190
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
眞田 英毅 同志社大学, 文化情報学部, 助教 (00961971)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 学校外教育 / shadow education / 塾 / 大衆化 |
研究開始時の研究の概要 |
学校外教育は,中学3年生の80%が利用するほどに大衆化しており,このような学校外教育が教育達成に効果があるのか,国内外で研究の蓄積があるものの,既存の研究は実施主体や利用期間,利用目的といったものを明確にせず,利用経験のみで規定要因や効果を測っているが,学校外教育の多様性を等閑視しており,学校外教育がもつ教育達成への効果を過小に推定している恐れがある. そこで本研究は,上述した問題点を踏まえ,若年層を対象とした社会調査(郵送調査)を行い,大衆化・多様化した学校外教育利用の実態を明らかにする.その上でさらに,学校外 教育が教育達成に与える効果を,利用期間や目的を踏まえた上で,再検討する.
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研究実績の概要 |
本年は,2ヶ年計画の1年目であり,当初の予定通り学校外教育(塾,家庭教師,通信教育)についてのWeb調査を実施した.対象は,2023年1月時点で20歳から39歳までの男女であり,年齢と性別で層化している.本調査は,どの学校外教育を,どの程度利用したのか,を詳細にたずねており,これによって学校外教育の効果をさらに詳しく推定できる.調査データの分析結果は以下の通りである. 記述統計の結果より,中学生時には,学校外教育の中では塾の利用割合が高いことがわかった.また,頻度について,通年で利用している割合が75%以上おり,目的については,塾と通信教育は受験目的だが,家庭教師は補習目的であった.加えて,無料の学校外教育や,学校での課外授業参加者は少ないことがわかった.さらに,多変量解析の結果,出身階層が高い子どもが学校外教育を利用しやすいことや,無料で提供されている学校外教育の割合はかなり低く,学校の課外授業を利用していても,学校外教育を利用する傾向があることが明らかになった. この結果は,2023年3月の数理社会学会大会にてポスター形式で発表を行っている. 以上が本研究課題における独自の調査結果であるが,他にも今年度は既存の社会調査データを用いて,学校外教育が大衆化したのかについて,ディスカッションペーパーにて結果を報告した.さらには,その結果を英語に翻訳し,英語でもディスカッションペーパーを掲載しており,国内外を問わず本研究課題における結果を発信している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,予定していたWeb調査を実施し,結果を2023年数理社会学会大会にてポスター形式で報告した.その際,多くの社会学者からフィードバックを得ることができ,本調査を行う際の改善点等を洗い出すことができた.そのため,今年度は当初の予定通り順調に進んでいるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2年計画の2年目にあたる本年は,昨年のWeb調査の結果および不備等を踏まえて,学校外教育利用に関する郵送調査を実施する.今回は京都府内の2023年度時点で20歳から30歳の男女を母集団とし,層化2段抽出法にてサンプルを抽出する.この結果を分析し,本年11月および来年3月の学会で報告するとともに,学術誌へ論文を投稿する.
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