研究課題/領域番号 |
22K20198
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
寺田 晋 長崎大学, 多文化社会学部, 助教 (30952650)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非理想理論 / 関係的平等 / 認識的不正義 / セグリゲーション / アファーマティブ・アクション / 価値の表現理論 / 集団的不平等 / 社会認識論 / 当事者参加型調査 |
研究開始時の研究の概要 |
現代の多文化社会において多様な集団の間で望ましい関係を実現していくためには、集団間のあるべき関係を検討する規範理論と、集団の境界を越えて知識を共有する技法が求められる。本研究は、政治哲学者J・ロールズが考案した理想理論と非理想理論という規範理論と、調査対象者とのコミュニケーションを重視する社会学の調査手法を分析し、現代の多文化社会に適した規範理論と知識共有の技法を開発する。集団的不平等に関する非理想理論を分析し、その解消策が採るべき方向性を明らかにするとともに、集団的不平等の認識上の課題として、知識の共有を阻む認識的不正義の克服という課題に着目し、この課題を解決する技法を開発する。
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研究成果の概要 |
政治哲学において非理想理論と呼ばれる理論は、不平等や抑圧といった現実に存在する不正義をどのように解消すべきなのかを検討する。この研究では非理想理論の構築に社会学ができる貢献とはどのようなものなのかを検討した。検討の結果、社会を内側から観察する学問としての社会学には、不正義を解消するためのさまざまな政策的介入の効果を評価することよりも、不正義が再生産される過程を、そこに含まれるさまざまな意図せざる結果も含めて分析、評価することが求められるということ、また、非理想理論が提示する不正義が日常的な相互行為のなかでどのように達成されているのかを分析することが求められるという結論が導き出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、これまで分析が深められていなかったエリザベス・アンダーソンの非理想理論の内容やその意義、限界を明らかにすることができたことが指摘できる。社会的意義としては、非理想理論の応用として、不平等を解消するための政策であるアファーマティブアクションがとるべき方向性を示したことが指摘できる。
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