研究課題/領域番号 |
22K20202
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
平森 大規 法政大学, グローバル教養学部, 助教 (10965718)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SOGI(性的指向・性自認) / 社会階層 / クィア人口学 / 批判的人種理論 / 尺度開発 / 社会意識 / クィア方法論 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、LGBTを含む性的マイノリティに対する関心が高まっている。既存研究の多くは質的調査法を用いており、社会全体における性的マイノリティに対する意識、人口集団としての性的マイノリティの実態や、その生活状況に関する統計は限られている。数少ない量的調査法を用いた研究では、クィア理論など性のあり方を考える上で長く蓄積されてきた知見が軽視されている。本研究ではクィア理論的視点から性的マイノリティに対する社会意識、性的マイノリティ人口の複雑性・多面性、性的マイノリティと階層・不平等に関する計量社会学的分析を行う。本研究は、批判的人種理論を含む批判理論と量的方法論の接合を目指す国際的学術潮流の一部である。
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研究実績の概要 |
2023年度は、本研究プロジェクトのうち、特に性的マイノリティ人口の複雑性・多面性および性的マイノリティと階層・不平等に関する課題を重点的に検討した。前者については、性的指向アイデンティティ、性的・恋愛的惹かれ、性行動の重なり合いを分析した結果や関連する研究成果を論文、ワーキングペーパーや、学会等で報告した。とりわけ、米国プリンストン大学で開催された「Queer Demography Summit」に招待され、東アジアの視点から日本のクィア人口学に関する報告を行ったことは特筆すべき点である。後者については、無作為抽出調査を元にした性的指向と教育達成・職域分離に関する研究や性的マイノリティ内部の階層・不平等に着目した研究を学会等で報告した。また、本研究プロジェクト全体に関わる研究として、批判的人種理論と計量的手法の接合可能性を探るべく、コミュニティ文化資産尺度の開発を行い、論文「Critically Quantitative: Measuring Community Cultural Wealth on Surveys」として発表した。これらに加えて、バイセクシュアル・パンセクシュアル実態調査結果報告会の主催や認定NPO法人虹色ダイバーシティ主催のniji VOICE 2023(LGBTQの仕事と暮らしに関するアンケート)報告会への登壇など、コミュニティ向けのアウトリーチ活動も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画に記されている通り、2023年度は性的マイノリティ人口の複雑性・多面性および性的マイノリティと階層・不平等に関する課題や批判理論と量的方法論の接合を目指す研究について論文出版、学会報告、およびコミュニティ向けのアウトリーチ活動を行うことができ、おおむね順調に進展することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2022-2023年度に行った研究を継続するとともに、性的マイノリティと階層・不平等に関する課題を重点的に検討する。特に、当初の研究実施計画で使用するデータとして言及していた「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」に加え、全国無作為抽出調査である「家族と性と多様性にかんする全国アンケート」が2023年2-3月に実施されたため、日本全国における性的指向に基づく教育達成、職域分離、賃金格差に関する分析を行い、結果をまとめる。
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