研究課題/領域番号 |
22K20219
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
伊藤 愛莉 仙台大学, 体育学部, 助教 (70964253)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 教育行政 / 教員給与 / 勤務時間 / 政策過程 / 官僚 / 文部省 / 教育政策 / 中央政府 / 人事院 / 政策過程分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、官僚が認識する教員勤務の特殊性を勤務時間と給与に関する政策の形成過程から明らかにすることである。具体的には、文部省が認識する特殊性に加えて、労働省、人事院、大蔵省、法務省が認識する特殊性も明らかにする。勤務時間と給与に関する政策として、1946年から1950年の政策及び1965年から1971年の政策を分析対象とする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、日本の教員の勤務時間に関する政策及び給与に関する政策の形成過程から、文部省だけではなく労働省、人事院、大蔵省、法務省が認識する教員勤務の特殊性を明らかにすることで、日本における教師像の理論を精緻化することを目的としている。 前年度までの研究では、1946年から1950年及び1965年から1971年の教員の勤務時間と給与に関する政策の資料リスト、人事院、労働省、大蔵省、法務省に関する資料リスト、勤務時間と給与に関する法案の作成にかかわった個人の著作物のリストを作成、収集してきた。そして、人事院、各省が認識する教員勤務の特殊性の検討を行い、人事院、各省にとって教員の位置づけがさまざまであること、その背景には各省及び人事院それぞれの所掌事務にかかわる法令があることを確認してきた。 この作業を踏まえ、本年度は、日本の教員勤務の特殊性をより深く理解するために、まず海外の教員の給与制度や教員採用制度に関する文献を収集した。海外の制度との相違点や類似点を検討することで、教員に対する社会からの期待、それに伴う社会的地位の確保の様子をみることができた。それから、日本におけるほかの職業の時間外勤務に関する文献や勤務の特殊性を論じた文献を収集した。ほかの職業との類似点や相違点を検討することで、新たに特殊性としてとらえられる部分や、それに対する制度を検討することができた。これらの作業を通し、日本の教員勤務の特殊性の理解を深めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、教員の勤務時間と給与に関する政策の議事録、文献の内容を踏まえ、当初の予定をやや変更し、海外の教員に関する文献や、日本におけるほかの職業に関する文献等の収集を行った。これにより日本の教員勤務の特殊性をより理解することができた。しかし、教育・学内業務と研究活動の両立の難しさゆえに、予定よりも研究の時間を確保することができず、当初予定していた分析を完了すること、そして研究成果をまとめるまでには至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長した2024年度には、これまで収集した資料を基に、1946年から1950年及び1965年から1971年の勤務時間に関する政策と給与に関する政策の形成過程を対象として、残された部分の分析を完了させる。追加の資料収集を行う際には、複写依頼、相互貸借の利用や、古本の購入を検討するなどして資料収集の効率化を図る。これらの工夫により、分析のためのまとまった研究時間を確保したい。そして、研究成果の公表に努める。
|