研究課題/領域番号 |
22K20234
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
谷口 あや 甲南大学, 人間科学研究所, 博士研究員 (30963491)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発達障害 / スティグマ / 診断名 |
研究開始時の研究の概要 |
スティグマとは,差別への社会的合意を持たれた客観的属性を意味する用語である。近年,発達障害に対するスティグマの社会的な注目が高まっているが,スティグマは様々な要因によって影響を受け,その程度が深刻になったり軽減する場合がある。本研究では,発達障害に対するスティグマの影響要因の中から診断ラベル(障害を説明する名称)を取り上げる。具体的には,個別の診断名と発達障害という包括的名称を用いる場合で人々が抱くスティグマに差異がみられるかを質問紙調査と実験を用いてそれぞれ実証的に明らかにする。この結果を踏まえ,一般社会に向けた発達障害に関する教育方法を構築するための基礎的知見の提供を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の大目的は,発達障害に分類される諸障害の個別の診断ラベル(自閉症スペクトラム:以下,ASD,注意欠如多動症:以下,ADHDを使用)と「発達障害」という包括的なラベルが発達障害児者のスティグマに及ぼす影響について実証的に検討するとともに,一般社会に向けた発達障害に関する教育方法を構築するための基礎的知見の提供を目指すことであった。 2023年度は,スティグマを測定する尺度の信頼性および妥当性の検討とヴィネット作成,ADHDおよびASDの診断ラベルと「発達障害」ラベルがスティグマに及ぼす影響の検討をオンライン調査によって行うことを予定していた。しかしながら,DSM-5-TRに基づいた診断基準を踏まえ、新たなヴィネットを作成することに時間を要している。今後は,ヴィネットを完成させ,当初の予定通り診断ラベルとスティグマの影響を検討する予定である。 また,診断ラベルがスティグマに及ぼす影響を検討する上では,人々が診断ラベルに対して抱いている認識やステレオタイプを把握する必要がある。この点を踏まえ,昨年度から継続して,ソーシャルネットワーキングサービスの1つであるX(旧:Twitter)において、発達障害や個別の診断ラベルの語を含む発信を収集し,ラベルに対する認識を探索的に検討している。DSM-5刊行時を基準とし,過去15年分のデータを収集し,解析を行っている最中である。 以上の結果や関連する研究成果については,日本心理学会第87回大会にてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初の研究計画を拡大し,発達障害に分類される諸障害の状態像を描写したヴィネットの作成に新たに取り掛かったこと,ソーシャルネットワーキングサービス上の情報収集を行っており、そのデータが大規模であることから、当初予定していた計画の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,ヴィネットの信頼性と妥当性を検討するために,オンライン調査を用いて、医療従事者や新車を対象とした調査を行う。完成したヴィネットを用い,オンライン調査によって診断ラベルとスティグマの関連について検討し国内外の雑誌への論文投稿を進める予定である。また,ソーシャルネットワーキングサービス上の発信については、データの前処理および本分析を進める予定である。
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