研究課題/領域番号 |
22K20248
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
朝倉 隆道 広島大学, IDEC国際連携機構:CICE, 研究員 (20949127)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | エデュ・ビジネス / 教育輸出 / 民営化 / 学習塾 / インドネシア / 国際教育協力 / グローバリゼーション / 非政府アクター / ストーリー / 企業の教育輸出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業を中心とした非政府アクターが国際教育協力に参入し、教育サービスを提供する新展開が進む状況において、それら企業が用いる多様な戦略により、受容する人々の学習文化やライフスタイルに変容を迫る構造や実態を解明するものである。政府間や国際機関による教育協力とは異なり、多くの企業は自ら教育サービスを提供するため、差異化のためサービスの「ストーリー」を打ち出し、現地に取り入れられるよう戦略を模索している。供給側の形成するイメージや言説によって、受容側の人々の想起する教育への期待や幻想がかき立てられる一方、外来の教育サービスの仕組みが受容側社会によって定着されていく構造や実態を、明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、国境を越え展開するエデュ・ビジネスが、教育サービスを拡散し、利用者が受容する過程について、(1)どのようなストーリーが用いられ、(2)それがいかに翻訳され、(3)人々の学習文化にいかなる変容を迫るのか検討し、エデュ・ビジネスと利用者との共鳴を分析した。これを、インドネシア都市部に展開する企業(学習塾)を対象に、その従業員や講師、学習者に対し、半構造化インタビューとフォーカス・グループ・ディスカッションを実施した。これにより、当事者の視点から、経済的、政治的な覇権としてではない、オルタナティブなエデュ・ビジネスの有り様を探ること試みた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エデュ・ビジネスの普及が実態として進みながらも、教育研究では、新自由主義的な教育改革の文脈からそれら現象を捉え、企業の有する経済合理性という特徴に批判的眼差しを向けてきた。しかし、こうした実態と研究の乖離は、教育モデルを拡散、受容する過程を政策文書から論じながらも、直接関わる当事者の視点からは十分には分析されてこなかった。 エデュ・ビジネスによって人々が交流し合うコミュニケーションの場を創出しながらも、ある種の社会的排除を生じ得るという、本研究で析出した市場の特徴を踏まえ、私教育を包摂した、新たな国際教育協力の発展を編み出すアプローチ法を提示したと言える。
|