研究課題/領域番号 |
22K20254
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
山根 悠平 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 助教 (00965270)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 理科教育 / 研究倫理 / 研究公正 / 確証バイアス / 研究不正 / 不正行為 |
研究開始時の研究の概要 |
(概要) 理科教育で行われる実験活動では,学習者が実験結果を書き替えたり,書き写したりするなどの不適切な行為が問題となっている。この不適切な行為の原因の1つには,学習者の確証バイアスによる影響がある。そこで本研究では,確証バイアスによる不適切な行為のメカニズムを明らかにすることを目的とする。 この目的を達成するため,理科における確証バイアスとそれに関連する要因を検討し, 学習者の確証バイアスおよび関連要因と不適切な行為を調査,それらの関係構造を分析する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、理科教育において学習者が自身の仮説や信念に合うデータばかりに着目してしまうという確証バイアスによる、結果を書き替えたり書き写したりするなどの不適切な行為のメカニズムを明らかにすることであった。このため、一年次では、確証バイアスと不適切な行為および不適切な行為に関わる批判的思考力に関する質問紙を作成した。 二年次では、一年次で作成した質問紙を基に、高校生と大学生を対象とした調査と分析を行った。その結果、確証バイアスと不適切な行為の有無の相関関係や不適切な行為の有無における確証バイアスの得点の差がみられた。このことから、学習者は確証バイアスが強く働いていると不適切な行為をする可能性があると示唆された。一方、「探究的思考」「合理的思考」「自己による反省的思考」「対話による反省的思考」「目標志向的思考」「懐疑的思考」といった批判的思考力と、確証バイアスおよび不適切な行為における相関関係や不適切な行為における確証バイアスの得点の差はみられなかった。このことから、学習者の批判的思考力と確証バイアスおよび不適切な行為においては関係があるとはいえないことが示唆された。このほか、確証バイアスと不適切な行為の種類(改ざん・盗用)には関係がみられなかったことが明らかとなった。以上のことから、不適切な行為の抑制には確証バイアスが有効であると推察されるが、批判的思考力については検討の余地が残った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二年次において調査と分析を行ったことは、おおむね順調に進展しているといえる。しかし、調査結果の分析について、新たに対象による回答傾向の違いの検討や批判的思考力の分析方法の検討が必要になるなど、課題が残っていると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、対象者による回答傾向の違いの分析や批判的思考力と確証バイアスおよび不適切な行為の関係に関する分析、記述の分析などを行う予定である。また、批判的思考力以外の要因に関する調査も可能な限り行う予定である。
|