研究課題/領域番号 |
22K20258
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
向田 識弘 金沢学院大学, 教育学部, 講師 (20964448)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | AIリテラシー / 生成AI / 情報教育 / 初等・中等教育 / プログラミング教育 / AI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,発達段階に応じた基本的AIリテラシーの体系化と初等プログラミングにおける新しい価値の創造を志向する実践的な学習方法を検討することを目的としている。背景として,SNSや様々なアプリケーションの機能によって子どもたちにとっても無意識にAIを利用する場面が考えられることから,AIに関するリテラシー教育の必要性が生じていると考える。そのため,AI基礎的リテラシーの涵養を「問題解決力の育成による規範意識の醸成」から検討できると考え,基礎的AIリテラシーの枠組みについて検討し,初等教育を対象に中等教育との連接を図るプログラミング教育の在り方と育成すべき基本的AIリテラシーの体系化を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究では,AIリテラシーの涵養を図るための学習方法を検討・提案することを目的としている。当該期間では,AIリテラシーの定義を検討し,海外の学術論文からAIリテラシーの暫定的な定義を行い,「知識・理解」,「応用・分析」,「統合・評価」,「AI倫理」から成る,AIリテラシーに関する概念を検討した。AI倫理に関しては,情報活用能力,メディア・リテラシー,情報モラルとの関係を整理し,情報を扱う能力・判断・態度をテーマとして開発した授業を教員養成課程の大学生を対象にパイロット実践した。実践の結果,答えのない情報送受について受け手と送り手など複数の立場で考えるメディア・リテラシーの観点を踏まえた情報モラル教育を行うことで,情報モラルが醸成されると考えた。また,デジタルシティズンシップ教育の考えを国内外の学術論文をもとに整理し,小学校高学年を対象としたオンラインにおける情報のやりとりに関する授業を実践・評価した。実践の結果,答えのないリアルな問いを設定することが情報のやり取りに関する理解に有効であることを示唆した。これらのことからは,AIリテラシーの概念を検討・整理できたこと,複数の観点からリテラシー教育が必要であること,リテラシー教育において現実的な問題を扱うことが必要であることが分かった,今後は,整理したAIリテラシーと学習の枠組みに基づき,新しい価値の創造を図るプログラミング教育プログラムを検討する。これらの成果により,今後小学校におけるAIリテラシーの醸成に向けたプログラミング教育の方向性を確認でき,AIを活用したプログラミング教材および学習方法が提案できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究期間の当初より,先進的な取り組みを行っている学校における公開授業が新型コロナウィルス感染症対策によってオンラインまたは延期となったことから,初等プログラミング教育の実践に関する視察の機会が計画より少なくなった。今年度中に,プログラミング教育プログラムを開発することで研究目的が達成される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
AI活用の実践的なプログラミング学習から新しい価値を創造する発展的な学習展開によって,基本的AIリテラシーの涵養を図る学習方法を検討する。授業の計画と実践では,検討した方法にあったプログラミング教材の試作・選定や指導案,資料など授業研究を行う。授業研究に向けて,複数の協力校において実践を行い,効果の検証を行う,また,国内のAIリテラシーの涵養に関する先進的な取り組みを収集するとともに,プログラミング教育に関する授業実践を視察し,事例を分析する。
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