研究課題/領域番号 |
22K20263
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
大山 正博 武庫川女子大学, 学校教育センター, 助教 (60964252)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会科・問題解決型学習 / カリキュラム / 参与観察 / 学習者による学びの意味づけ / 雰囲気 / 遊び / 政治 / 社会科教育 / 問題解決型学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、学習者による学びの意味づけという観点から、社会参画を促す社会科・問題解決型学習のカリキュラムモデルを提示することである。カリキュラムという概念自体、教師による計画・実施のみではなく、学習者の実際の学びも含んだ学習経験の総体を指す。しかし、従来の社会科研究は教師の掲げた社会科目標の達成が主題にあり、学習者による意味づけには十分に着目しきれていない。 そのため本研究では、兵庫県内の高等学校と共同で年間カリキュラムを開発・実施し、そこで見られる生徒の意味づけを社会科学習以外の活動との関連も視野に入れ複合的に分析する。その上で、他校に波及できるカリキュラムモデルを提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学習者の意味づけという観点から、社会参画を促す社会科・問題解決型学習のカリキュラムモデルを提示することである。その目的を達成するため本研究では、兵庫県内の高等学校と共同で年間カリキュラムを開発・実施し、そこでみられる生徒の学びに対する意味づけを、社会科学習以外の活動との関連も視野に入れ複合的に分析する。その上で、他校に波及できるカリキュラムモデルを提示する。 研究計画においては、生徒の意味づけに関する仮説の生成(1年目)、生成した仮説の検証を踏まえたカリキュラムモデルの提示(2年目)を設定した。研究計画の2年目にあたる当該年度では、1年目で生成された仮説1(授業において「面白さを求める」という教師および生徒の全体的雰囲気が、社会科・問題解決型学習における「理解・認識」の枠を広げるとともに、個々の生徒による多様な意味づけを保障する)および仮説2(生徒の意味づけは社会科・問題解決型学習に限定されるものではなく、他の様々な活動に活用可能なものである)の検証を行った。 仮説1の「面白さを求める」とは、各授業で学ぶ事柄の枠内で極論を挙げたりしながら議論を楽しもうとする雰囲気であり、本研究では「事柄の本質で遊ぶ」と表現した。検証の結果、「事柄の本質で遊ぶ」ことは、①社会科・問題解決型学習で育成すべき「多角的視点」の育成および普段は発言をためらう生徒の「意欲の向上」に直接的に影響したこと、②学習者それぞれに特有の「興味関心の広がり」に間接的に影響したことが明らかになった。また、「事柄の本質で遊ぶ」ことは、社会科学習以外の活動(研究発表会等)でもみられるようになった。ただし、そのことが本カリキュラムの直接的効果なのか間接的効果なのかが解明できておらず、仮説2についてはさらなる検証が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で開発・実施している社会科・問題解決型学習のカリキュラムにおける生徒の学び(生徒の学びに対する意味づけ)と他の活動との関連を十分に明らかにできておらず、他校への波及のためにもさらなる検証が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を遂行するためには、社会科学習のみならず、他の活動についての参与観察を通じた質的調査が不可欠である。併せて調査結果をまとめて、学会での発表や論文の執筆を行い、研究成果を公表していく。
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