研究課題/領域番号 |
22K20265
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 國學院大學栃木短期大学 |
研究代表者 |
平岡 秀美 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 講師 (10962425)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 道徳教育 / 倫理・哲学授業科目 / 「価値と規範」 / 教科書分析 / 小・中・高接続 / 倫理科 / 価値教育 / ヘルムート・ハイト(Heid,H.) / 宗教授業 / 哲学授業 / 倫理授業 / 「生活形成・倫理・宗教」(LER) / 「宗教・哲学・倫理」(REP) / ドイツ教授学 |
研究開始時の研究の概要 |
価値多元化に伴い共通価値の喪失や規範意識の低下が嘆かれ、学校教育での価値に関わる科目が重要視されていく傾向がある。この傾向の象徴的事例がドイツの価値教育改革に見られる。そこで議論の中心となったのは、「生活形成・倫理・宗教科」(LER)という初等教育段階における道徳教育科目の是非である。 本研究では、LERに関するドイツでの教授学的議論の蓄積を追跡し、その議論の深まりによって構想された学習領域「宗教・倫理・哲学」(REP)の構想を明らかにする。これにより、宗教・倫理・哲学といった「価値」に関わる諸知識を基盤とした価値教育への「橋渡し」となる、初等教育段階での道徳教育を構想する意図がある。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、宗教・倫理・哲学といった「価値」に関わる多様な諸知識を基盤とした価値教育を行う準備段階として、初等教育段階の道徳教育においてはどのようにそうした諸知識を取り扱うべきかという問いをドイツの事例をもとに究明することであった。 2022年度には、背景となるドイツの価値教育についての議論の整理の一環として、価値教育の議論における「価値」の性質と取り扱い方についての教授学的批判を行ったハイト(Heid, H.)の所論に着目した。その際、価値教育は「価値」を伝達するのではなく、むしろ「価値づけられた対象」の根拠を「試験台に置く」ように論究するという教育構想を解明した。この成果は、「ドイツの価値教育(Werterziehung)における『基本的価値』の取り扱いに対するハイト(Heid, H.)の批判と代替案」との題目で研究論文としてまとめた。 上記の価値教育に関する議論を踏まえ、2023年度には、ドイツ各州倫理・哲学授業科目に着目し、その教科書分析を行った。具体的には、“Leben leben“という教科書シリーズ第1巻から第4巻について、初等教育段階後期から前期・後期中等教育段階での倫理・哲学授業の関係を検討した。その結果、第1巻から第4巻までの全巻に共通する点として、「コンピテンシー志向」「言語活動の重視」「テクストを用いた関連知識・学問の顧慮」「問いを中心とした活動」という傾向が見られた。さらに、4巻での発展的構造として問いを中心としたモジュール・システムの採用という教授上の工夫が明らかになった。この成果は、「ニーダーザクセン州 「価値と規範」における学年・学校段階の接続の試み」と「ドイツの倫理科(Fach Ethik)にみる前期・後期中等教育段階での内容的接続 」との題目で、2本の研究論文としてまとめた。
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