研究課題/領域番号 |
22K20273
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
八木澤 史子 千葉大学, 教育学部, 助教 (70965342)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 学習指導案 / 1人1台端末 / レビュー / 役割 / 形式 / 児童生徒主体 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,学校現場では,GIGAスクール構想の環境下において,児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」や「個別最適な学び」「協働的な学び」を実現する授業が目指されている。授業が1人1台の情報端末の活用以前とは異なってきている今,1人1台の情報端末を活用した授業の特徴を記述し共有するための学習指導案を検討する必要性が出てきている。 そこで,本研究では,従来の学習指導案の意義や役割を再確認する,情報端末を活用する授業における学習活動の特徴と従来の学習指導案の様式との不整合を検討するという2点に注目し,文献調査やインタビュー調査等により,学習指導案の様式の再定義を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は,1人1台の情報端末を活用した授業における学習指導案の様式を検討するものである。学習指導案の研究は1990年代前後に行われているものの,書籍や研究のレビューにより学習指導案の意義や役割を調査した研究はなく,学習指導案についての実態が正確に把握できていない状況である。教師主体の一斉学習中心の授業から,児童生徒主体の個別最適な学び中心の授業に転換が図られている今,1人1台の情報端末を活用した授業の特徴を記述し共有するための学習指導案の様式を再定義することが本研究の意義である。 第1年次は,2つの取組を行った。1点目は,学習指導案に関連する書籍のレビューである。教員養成学部を擁する国立A大学の附属図書館に所蔵されている書籍を対象に,学習指導案の役割や意義および形式に関連する書籍65冊を抽出した。抽出した書籍の内容を確認し,関連する記述を役割および形式の観点から整理した結果,学習指導案の役割や形式は,教師の指導に関連した役割の強調や教師の教授行動の視点からの項目が多いことが示唆された。 2点目は,クラウドを活用した学習指導案の検討作業に関する実践である。若手教師が作成した学習指導案を中堅教師と一緒にクラウド上で検討する実践を行った。実践後に,クラウドを活用した場合とそうでない場合に関する意識を尋ねたところ,クラウドを活用しない従来の紙で行う学習指導案の検討作業では,時間がかかる点,話題や指摘事項が多岐にわたる点などが課題として挙げられた。また,学習指導案の形式が異なることによるやり取りの難しさも課題として挙げられており,クラウドでの検討作業も踏まえた学習指導案の形式を検討することの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部,コロナ禍による制約のため,調査結果の発表を見送ったが,2022年度に予定していた学習指導案の様式,記載項目と順序,記述内容についての調査,および学習指導案を作成する際の困難点の明確化については,計画通り調査することができた。第2年次に向けて,学習指導案の役割や形式,および作成に関する困難感などの実態把握ができたことは,順調な進展であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
第1年次は,これまでの学習指導案に関する実態について調査した。今後は,児童生徒主体の個別最適な学びに取り組んでいる授業に焦点を当て,その授業における学習指導案の形式や役割の実態,および教師の授業観や児童観等と学習指導案の形式との関連などについて検討する。
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