研究課題/領域番号 |
22K20296
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 岡崎女子短期大学 |
研究代表者 |
藤井 利紀 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 講師 (60962735)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 教育アカデミー / 教育実習 / 教員養成所 / 現職教員 |
研究開始時の研究の概要 |
ヴァイマル期ドイツのプロイセンにおいて、教員養成所が閉鎖され、国民学校教員養成機関として教育アカデミーが新設された。先行研究では、教育養成所出身であることから教育アカデミーの理念を共有していない現職教員が、教育実習の指導を担うことには大きな困難があったと評価されてきた。しかし、こうした評価には、現職教員側の史料を検討していないという問題点がある。 以上から、本研究は、教育アカデミー側のみではなく、現職教員側にも着目しながら、教育アカデミーにおける教育実習の実態を解明することを目的とする。これらを通じて、現職教員が教育アカデミーの教育実習に関わっていたことの積極的な意味を示したい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、教育アカデミー側のみではなく現職教員側にも着目しながら、教育アカデミーにおける教育実習の実態を解明することである。今年度は、昨年度入手した史料を読み進めていくとともに、ドイツ各地の文書館・図書館を訪問し、教育アカデミーの教育実習の実態を明らかにすることができる史料を追加収集した。具体的には、以下に挙げる三つのことに取り組んだ。
1 アルトナ教育アカデミーに焦点を当てて、教育アカデミーが学外実習を導入した経緯と教育実習校をどのように選定したのかを明らかにした。これらをまとめ、日本教師教育学会第33回大会において自由研究発表を実施した。 2 現職教員と関わるという点で教育アカデミーにおける教育実習と関連のある、教育アカデミー卒業生の卒後教育がどのような経緯で導入されたのかを明らかにした。この成果を学内の紀要論文にまとめた。 3 2024年2月18日から3月3日までドイツに滞在し、教育アカデミーの教育実習に関する新たな史料の調査および収集を行った。具体的には、ノルトラインヴェストファーレン州立文書館(ミュンスター支部)、ニーダーザクセン州立文書館(ハノーファー支部、オルデンブルク支部)、プロイセン文化財団枢密文書館等を訪問した。さらに、ベルリン州立図書館、フンボルト大学図書館等を訪問し、先行研究となる文献の調査および収集をした。特に、ノルトラインヴェストファーレン州立文書館(ミュンスター支部)ではドルトムント教育アカデミーにおける教育実習の実施過程等が分かる史料を入手することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドイツの文書館・図書館において、すでに2回の史料調査を終えており、教育アカデミーの教育実習に関する史料を入手することはできている。さらに、入手した史料についてもある程度読み進めていくことができている。 しかし、史料を読み進めていくことに予定よりも時間がかかったため、現時点では、研究成果を論文にまとめることが十分にできていない。以上から、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
すでに入手した史料や文献を読み進めていき、その成果を研究論文等としてまとめていく。 具体的には、すでに学会発表で報告した内容を論文にまとめ、学会誌に投稿する予定である。さらに、ドルトムント教育アカデミーの農村学校実習の実施過程を明らかにすることを通して、教育アカデミーが教育実習において現職教員と関わることをどのように考えていたのかを検討することを目的とした自由研究発表を学会等で行う予定である。最後に、これらの成果をまとめて報告書を作成する。
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