研究課題/領域番号 |
22K20299
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
寺戸 武志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (80962688)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不登校予防 / 学校心理学の4領域 / 自記式測定尺度 / 小・中・高等学校 |
研究開始時の研究の概要 |
不登校の児童生徒数は増加の一途をたどり,学校での予防的支援の充実が求められる。特に近年の学校教育においては,学校心理学の4領域(学習,進路,心理・社会,健康)の観点から子ども支援を検討する有用性が指摘されている。そこで本研究は,以下の研究目標を立て実施する。 ①学校心理学の4領域(学習,進路,心理・社会,健康)の観点から,不登校の予兆を発見できる子どもによる自記式測定尺度を作成する。 ②作成した尺度が,実際の欠席・遅刻・早退回数や「学校に行きたくない気持ち」の増加に結びつくかどうかを追跡調査し,尺度の有用性を高めて広く不登校の予防的支援に活用できるようにする。
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研究実績の概要 |
本研究では,以下の点を通じて不登校の予兆を発見できる尺度を作成し,教員の支援力向上の観点から,不登校の予防的支援の充実に対して貢献することを目指す。 ①不登校の予兆を発見できる尺度について,学校心理学の4領域(学習,進路,心理・社会,健康)の観点から,先行研究の検討,小学校・中学校・高等学校等の教諭および養護教諭等への聞き取りなどを通じて項目の選定を行い,小学校・中学校・高等学校の児童生徒への調査を実施し,尺度の信頼性・妥当性の確認を行い,尺度を作成する。 ②作成した尺度について,慎重な追跡調査を実施するとともに,欠席・遅刻・早退日数や,不登校傾向尺度(五十嵐・萩原,2004)の変化などとの関連から,本当に尺度が不登校の予兆発見に結びついているのかを実証することで,学校での活用可能なものへと尺度の有用性を高める。 当該年度は上記①に係る取組を進めた。これまで文献検討を行うとともに,以下の2つの予備調査を行った。まず予備調査1では,小学校・中学校・高等学校教諭および養護教諭(計5名)を対象に,学校心理学の4領域(学習,進路,心理・社会,健康)の観点から,不登校の予兆と考えられる児童生徒の具体的な言動等の変化ついて質問紙を用いて自由記述による回答を得た。次に予備調査2では,予備調査1で回答を得た5名を対象に,予備調査1で得られた不登校の予兆と考えられる児童生徒の具体的な言動等を観点別に網羅的に提示し,対応する観点に当てはまるものとして考えるにふさわしいか,多くの不登校事例に共通するか,小学校・中学校・高等学校の全ての学校段階で共通する前兆であるか,重複した項目はないかについてのチェックを依頼した。現在,研究協力者である愛知教育大学の五十嵐哲也氏及び福田博美氏とともに,予備調査2で得られた結果から不登校予兆を発見できる尺度の項目案の作成を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画した通りに進んでいるため
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今後の研究の推進方策 |
【令和5年5月~8月】これまで実施してきた2つの予備調査をもとに作成した項目を用いて,小学校・中学校・高等学校の児童生徒への調査(児童生徒調査1)を実施する。その際,妥当性検討のため,登校状況(金子・伊藤,2017),不登校傾向(五十嵐,2015)など同時に調査し,尺度の信頼性・妥当性の確認を行い,尺度を作成する。 【令和5年9月~令和6年3月】児童生徒調査1と同一の調査対象者に対し,同一の質問紙調査を同様に実施する(児童生徒調査2)。縦断調査を行うことにより,児童生徒調査1における尺度項目案が,児童生徒調査2における登校状況(金子・伊藤,2017),不登校傾向(五十嵐,2015)の変化を予測していたかなどを,研究協力者である愛知教育大学の五十嵐哲也氏・福田博美氏とともに検討し,真に必要な尺度項目案を精錬する。
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