研究課題/領域番号 |
22K20304
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉野 伸哉 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (70961655)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | パーソナリティ / 勤勉性 / 誠実性 / ビッグファイブ / 非認知能力 |
研究開始時の研究の概要 |
Big Fiveのうち勤勉性は社会情動的スキル(非認知能力)としても着目されており,学業成績など望ましい個人差変数との間に関連が認められる。一方,類似した心理特性の乱立や,研究間の結果の相違などの課題点がある。本研究では勤勉性の概念構造の整理をおこない,社会的アウトカムへの予測可能性を検討する。具体的には,まず包括的な行動リストを用いた調査を実施し,勤勉性の下位概念を抽出する。次に,抽出された下位概念と社会的アウトカムの関連について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,勤勉性の下位概念を見出し,勤勉性の関与が示唆される社会的アウトカム変数との関連を検討した。研究1では,大学生を対象にした調査を通じて,162項目から成る勤勉性が反映された行動のリストを作成した。研究2では,行動リストを用いて質問紙調査をおこない,勤勉性の下位概念の構造と,各下位概念と学業,健康,仕事に関する社会的アウトカム変数との関連を検討した。分析の結果,勤勉性は7つの下位概念から構成されることが示唆された。また,下位概念によって社会的アウトカム変数との関連のパタンが異なることも示された。勤勉性は「非認知能力」としても注目されることから,今後は教育的介入や政策の検討も期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかにした勤勉性の下位概念により,既存のパーソナリティ特性を捉え直し,ジャングルの誤謬の改善を図ることができると考えられる。また,海外の研究においては既に勤勉性の下位概念については検討されていたが,本研究では日本における勤勉性の下位概念を示した。下位概念のうち,規範を重んじる文化において顕現化されやすいと考えられる因子も見出されており,日本特有の傾向を示したといえるだろう。また,勤勉性の「非認知能力」としての側面を踏まえると,教育場面などにおける応用可能性を示唆しており,社会的な波及効果を見据えた研究の展開が期待される。
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