研究課題/領域番号 |
22K20312
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 (2023) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2022) |
研究代表者 |
野間 紘久 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 研究員 (60967636)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルチモーダル / 心理療法 / ベースレジストリ / 作用機序 / マルチモーダル情報 / 認知行動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,セラピスト(Th)-クライエント(Cl)間で心理療法中にやりとりされる複数の非言語・言語的な相互プロセス,Clのアドヒアランス,Thの共感力等が,症状の改善に及ぼす影響について検討し,心理療法の作用機序を明らかにすることを目的とする。研究1では,Th-Cl間でやりとりされたマルチモーダルデータを含む心理療法で得られた複数の情報について時系列を基に一元化し,解析可能なベースレジストリの作成を行う。研究2では,位相差解析や機械学習を用いた解析により,ベースレジストリから抽出したマルチモーダルデータと心理療法による症状の改善との関連について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、心理療法の作用機序解明を目的として、研究1では不眠症に対する遠隔認知行動療法の臨床試験のデータを用いて、アウトカムデータ、Thの治療遵守データ、映像、音声、逐語データ等を格納したコーパスの作成を行った。 研究2ではコーパス内のアウトカムデータを用いて、抑うつを併発した不眠症患者とそうでない不眠症患者の言語的特徴の差異を検証した。その結果、先行研究において指摘されている1人称代名詞の使用率や発話長においては差異が見られなかったものの、抑うつ併発群において話題の多様性が見られた。今後は、複数のモダリティのデータによるアウトカムの変化パターンについて検証を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心理療法のプロセスを検証した多くの先行研究では、模擬面接等のデータを使用しており実際の心理療法中のマルチモーダルデータをを格納するレジストリを構築した研究はまだない。これらを踏まえて本研究では、アウトカムデータと結びついたコーパスの作成、言語的特徴の抽出を行った。本研究の研究成果は効果的な心理療法に資するものであり、今後の臨床心理学における適切なマルチモーダルデータの収集について、示唆を与えるものといえる。
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