研究課題/領域番号 |
22K20321
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
石橋 美香子 江戸川大学, 社会学部, 講師 (70962629)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | スケールエラー / 心的イメージ / 前頭前野 / 幼児 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,子どものイメージの形成がいかにモノの関わりに影響を与えるのかを実証的に明らかにすることで,スケールエラー現象の発達機序の解明に寄与することを目的とする。具体的には,モノに関わる際の子どもの心的イメージを調べるにあたり,イメージの誘発による行動変容を実験操作により検討し,さらには前頭前野における脳領域の活動を脳機能計測により検討する。本研究では腹側及び背側経路から前頭前野における機能的連絡に着目することで,子どものモノの認識や行為選択に必要な情報統合の発達過程の解明に迫る。
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研究実績の概要 |
スケールエラーとは,幼児が,サイズが明らかに適さない物体に対して,自分の身体または物体を無理やり当てはめようとする行動である。幼児期のスケールエラーは,物体認識およびその行為の選択についての統合が未熟な状態を反映している現象とされ,状況にそぐわない優位な反応を抑制することが難しいために生じるという(DeLoache et al., 2004)。本研究では,スケールエラーを示す幼児は,ミニチュア物体を見た時に,幼児自身が持つ (典型的なサイズの) 物体のイメージが強く惹起され,そのイメージを前頭前野において抑制できず,サイズに応じた行為を行えないために生じるという仮説を立て,この仮説を検証した。具体的には,モノに関わる際の子どもの心的イメージを調べるにあたり,イメージの誘発による行動変容を実験操作により検討し,さらには前頭前野における脳領域の活動を脳機能計測により検討した。研究1では,行動実験によってスケールエラー課題中に物体のイメージを想起させることでスケールエラーの生成が高まるのかを調べ,研究2では研究1の研究結果に基づき,脳機能計測手法を用いて,イメージを誘発させることで,イメージを誘発させないときに比べて,状況に適した反応をする際に活動するとされる前頭前野の活動が弱くなるのかを調べた。その結果,イメージ操作によりスケールエラーが誘発される可能性が示されたが,今後は刺激の選定などを詳細に行い,研究1および2の内容をさらに検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験室の整備や調査対象者のリクルート作業,倫理審査など,幼児を対象にした実験実施の環境整備に時間がかかっているが,年明け頃から幼児を対象にした行動実験及び脳機能計測を対象にした調査もコンスタントにデータ収集を始めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ収集を行い,得られたデータをまとめ,学会発表および学術論文への投稿準備を進める予定である。
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