研究課題/領域番号 |
22K20323
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
畑 琴音 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60962355)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | Psycho-oncology / Activity restriciton / Depression / Anxiety / Self-help program / Values / Environmental reward / Activity restriction / Self-help / がん / 抑うつ / 価値 / 心理的支援 / ランダム化比較試験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域を拠点に療養生活を送るがん経験者を対象に、人生の価値観や生きがいに着目した抑うつ軽減のためのプログラムの有効性を検討する臨床試験です。がん経験者の不安や抑うつの維持メカニズムとして、①回避的な対処による閉じこもりがちの生活、②生活の中にある小さな喜び、楽しみへの感受性低下が考えられ、この2点に着目した心理的支援の開発が有用である可能性があります。
|
研究成果の概要 |
本研究はがん経験者の生きがいや価値観に沿った豊かな生活を目指すための心理的支援の有効性を示すことを目的としていた。本研究の成果として、生きがいや価値観に沿ったプログラムの作用機序に関する研究を通して、がん経験者の活動抑制が報酬知覚を下げ、抑うつを悪化させるメカニズムを明らかにしたことが挙げられる。また、ランダム化比較試験のための介入者トレーニングマニュアル、使用するプログラム冊子、リクルートを行う患者支援団体を確定することができた。パイロット試験の出版と研究協力者の確保に困難が生じたため、症例登録までは至らなかったが、引き続きランダム化比較試験の実施を継続していく。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん診断直後や治療中の方への心理支援は発展してきている。一方で、がんに罹患し、時が経ってもなお抑うつ気分や不安に直面する者は多い。そのため本研究によって、がん経験者の生きがいや価値観といったポジティブな側面に着目したプログラムが開発されたことは、中長期的な療養生活を行うがん経験者への心理支援充実の一助となることが考えられる。さらに、本プログラムの作用機序である、楽しみや喜びといった報酬の知覚が低まることががん経験者の抑うつに強く影響することが認められたことで、ネガティブな認知の変容だけでなく、ポジティブな認知への着目ががん経験者の心理的苦痛の改善に寄与する可能性が示された。
|