研究課題/領域番号 |
22K20338
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
数川 大輔 九州大学, 数理学研究院, 助教 (40963202)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 測度距離空間 / 集中位相 / 測度の集中現象 / 次元が無限大に発散する空間列 / ピラミッド / 無限次元極限 / 主束構造 / Cauchy分布 / 確率分布 / ブラウン運動 / ボックス位相 / ラプラシアン / 関数不等式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,リーマン多様体や測度距離空間といった空間の列が収束するとき,各空間の上に定まる幾何解析的な量の振る舞いについて調査する.測度距離空間の収束概念として特に,測度の集中現象(高次元空間での測度の偏り現象)を基にした集中位相による収束が興味深い.集中位相は,次元が無限大に発散する空間列に対しても広く収束を許容し,実際に極限空間として無限次元空間が現れる.無限次元空間を対象に含めた収束理論の創出を目標とする.本研究では,幾何解析的な量として特に,ラプラシアンの固有値や関数不等式の最良定数に注目する.
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研究成果の概要 |
本研究では,測度の集中現象を基にした集中位相による測度距離空間列の収束を考え,各空間の上に定まる幾何解析的な量の挙動について調査を行った.集中位相は次元が無限大に発散する空間列に対しても広く収束を許容し,空間列の高次元挙動や極限に現れる無限次元空間にもアプローチが可能である.本研究では,測度距離空間の不変量に関する基礎理論を固め,実際に分散やポアンカレ定数などの量が良い不変量であることを示した.また従来は球面などリーマン幾何学的な対象を主として無限次元極限が研究されてきたが,コーシー分布という正規分布とは全く異なる確率モデルでも極限を決定し,研究領域を飛躍的に広げることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,空間列の高次元挙動および無限次元極限を調査し,不変量を用いた無限次元極限の区別や新しいモデルの無限次元極限の決定などを行った.これらの成果は新たな研究の流れを構築し,研究領域を広げたとして学術的に高く評価されている.特にリーマン幾何学的な対象のみならず,高次元の確率分布やブラウン運動などを収束理論の対象として取り入れられることを指摘した意義は非常に大きい.従来以上に確率論や統計学とも密接に関係した理論に発展することが今後期待される.また本研究では,従来にない斬新な結果のみならずそれらを含む基礎理論の見直しにも取り組み,理論の体系化にも力を入れている.
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