研究課題/領域番号 |
22K20340
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高瀬 裕志 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 助教 (60963204)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 一意接続性 / 逆問題解析 / 逆問題 / 双曲型偏微分方程式 / 退化型偏微分方程式 / 幾何解析 |
研究開始時の研究の概要 |
境界でローレンツ計量が発散する多様体上の波動方程式は退化双曲型偏微分方程式に分類され,多様体内部の情報を境界での観測データから抽出することは物理学においても重要な課題である.そこで未知の波源を決定する逆問題及び方程式中の未知係数を決定する逆問題に対し,一意性及び安定性評価を確立する.
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研究実績の概要 |
境界で計量が発散する共形コンパクトなローレンツ多様体上における波動方程式の局所的な一意接続性定理を得た.この結果は,ある種の凸性及び境界近くで解が十分減衰することを仮定する.特性曲面でコーシーデータを与えた場合の一意接続性定理としては新たな結果である一方,局所的な主張であるためこのままでは逆問題解析にまで応用することは難しい.さらに解の減衰への仮定を弱めることができるのか,また大域的な主張を得ることができるのかは未解決である.技術的には大域的なカーレマン評価を得ることが今後の課題の一つである. また大域的なカーレマン評価に関連し,コンパクトなローレンツ多様体上における波源項決定逆問題の大域リプシッツ型安定性評価を証明した.これは,これまで得られていた局所的なヘルダー型安定性を改良する成果である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた共形コンパクトなローレンツ多様体上での逆問題解析が未着手であるため.
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今後の研究の推進方策 |
まずは大域的なカーレマン評価を証明し,大域的な一意接続性定理を証明する.解の性質から,大域的な一意接続性を証明するためには時間無限大のコーシーデータが必要となることも想定する.その結果をもとに逆問題解析を適切に定式化し,この大域カーレマン評価を応用する.
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