研究課題/領域番号 |
22K20352
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
板橋 勇輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70966407)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 超伝導 / ファンデルワールス物質 / 超伝導ダイオード効果 / FFLO相 / ファンデルワールス層状物質 / 空間反転対称性の破れ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ファンデルワールス層状超伝導体を舞台に、その特徴的な特徴である積層自由度や可塑性を活かして、電流に対する2次の非線形応答である非相反電荷輸送現象や超伝導ダイオード特性といった新奇超伝導輸送現象の開拓に取り組む。近年、異なる層状物質を積層させる、あるいは応力を加えることによって、系の対称性(空間反転対称性の破れの有無や極性構造の発現)を制御するという対称性制御が可能であるということが実証されてきており、それをファンデルワールス層状超伝導体に適用し、整流特性の新原理や新たな機能性の発見が期待される。
|
研究成果の概要 |
研究開始時に掲げたミスフィット層状超伝導体(PbSe)1.14(NbSe2)3における整流応答を観測することはできなかった。しかしながら、電気抵抗測定を高磁場下で行った結果、非従来型超伝導相を示唆するようなアノマリーが見られた。さらに、TDO測定と呼ばれるバルク測定を行うことで、電気抵抗測定では得ることのできなかったゼロ抵抗領域での相転移を示すようなアノマリーの確認にも成功した。現在この結果について論文執筆中である。 今後は(PbSe)1.14(NbSe2)3における磁束の運動の検証や、(PbSe)1.14(NbSe2)、(PbSe)1.14(NbSe2)2への拡張といった展開が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は消費電力の少ない超伝導エレクトロニクスに向けた超伝導ダイオード素子実現を目指し、超伝導ダイオード効果を示す物質系の開拓及び微視的機構の解明を目標としてきたが、今回副次的に非従来型超伝導相の発見に至った。このような非従来型超伝導がどのような系で見られるか、どのような起源を持つのかといった特性の解明につながることが期待される。
|