研究課題/領域番号 |
22K20354
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
草場 哲 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教 (00961640)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 励起子 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 層状物質 / 原子層物質 / 超高速ダイナミクス / フォノン / 相変化材料 / 暗準位 / キャリアダイナミクス / フォノンダイナミクス / 和周波分光 / ポンププローブ分光 / テラヘルツ分光 / 光物性 / 非線形光学 / 超高速現象 |
研究開始時の研究の概要 |
光学禁制な暗量子状態はそれ自体が直接吸収・発光しない一方、光学許容な明量子状態に緩和パスを与え、光学応答に大きな影響を与える。暗量子状態のダイナミクスを理解することは物質の光励起から緩和に至るまでの一連の過程の包括的理解へとつながる。 本研究では、その特長的な物性、積層による物性制御やデバイス化の可能性から注目される原子層物質を対象として、明励起子に加えて暗励起子の直接観測を行う。これにより励起子ダイナミクスを包括的に解明し、バレー自由度を含む励起子の量子状態制御の基盤を構築する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、その特長的な物性、積層による物性制御やデバイス化の可能性から注目される原子層物質(層状物質)を対象として、超高速分光・非線形分光の手法を用いて、その励起子やキャリアダイナミクス等を包括的に解明を行うことを目的としている。 本年度は構築した顕微分光光学系を用いて、単層WSe2におけるダブルパルス励起下の発光分光を行った。ダブルパルス励起下の発光は、高密度励起効果や励起子の多体効果によって、それぞれのパルスによる励起時の発光の和から増減する。その発光増減の大きさの、ダブルパルス間の遅延時間に対する依存性を測定し、高密度励起下における励起子ダイナミクスを考察した。励起子-励起子消滅の影響に加えて、吸収飽和の影響や暗励起子準位の影響が現れることが示唆された。 また前年度に見出した原子層物質におけるラマン活性フォノンの和周波励起の考察を進め、その偏光特性を明らかにし、論文にまとめた。この成果はテラヘルツパルスによるフォノンの自在制御へとつながる。さらに、この成果を踏まえて、他の原子層物質(層状物質)に対しても高強度かつ広帯域なテラヘルツ光を用いたテラヘルツポンプ-近赤外偏光回転プローブ分光や2次元分光を行い、その励起子およびフォノンのダイナミクスを明らかにした。 加えて、前年度に観測した相変化材料としても知られるCr2Ge2Te6のポンプ-プローブ分光についても整理と考察および論文執筆をすすめ、今後、論文投稿予定である。
|