研究課題/領域番号 |
22K20358
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西澤 敬之 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00955007)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トカマク / 自己組織化 / トモグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
LH入射法(局所ヘリシティ入射法)によるプラズマの立ち上げは核融合炉の経済性を高め、商業利用の実現に大きく貢献すると考えられている。LH入射法の有効性は小型のプラズマ閉じ込め装置において実証されてきたが商業用核融合炉に応用するためにはさらなる高性能化を目指す必要がある。本研究ではLH入射法によりプラズマが生成される際のプラズマの温度、密度等のプロファイルを精密計測することでプラズマ立ち上げ 時の物理過程の解明を行い、LH入射の高性能化への指針を示す。
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研究実績の概要 |
局所ヘリシティ入射用プラズマ銃をPLATOトカマク内に設置しプラズマの入射実験を行った。直流安定化電源および<1.2mFのコンデンサを用いたテストによりプラズマ銃の内部や側面でアーク放電が生じるケースが確認され、絶縁が不十分であることが分かった。現在プラズマ銃の改良を行なっている。一方、磁場をかけた状態でプラズマが約1msの間、直線状に噴き出すことが高速カメラの映像により確認され、この間で320Vまで充電された1.2mFのコンデンサがほぼ完全に放電した。プラズマ銃の絶縁が十分であることが確認された後は既にダミーロードでテスト済みの愛知電気製の1kAを10ms以上維持できる大型電源を用いる予定である。1kAの電流を磁力線に流せば自己組織化を起こすのに十分な磁気ヘリシティが入射できると期待される。 計測用のトモグラフィシステムの準備も進めており、令和5年夏頃にPLATO装置にインストールする予定である。こちらは九州大学および核融合研の他の研究者と共同で行なっている。まずはHαの計測を行う予定である。プラズマ銃から噴き出るプラズマの輝度は予想より高く、3kHzでサンプリングしている高速カメラのCCDの一部が飽和することが確認された。10kHzを超す高い時間分解能でトモグラフィー計測を行うことができると考えられる。 またトモグラフィ計測用に用いることを検討していたガウス過程を用いた反転アルゴリズムを応用することで干渉計のデータから電子密度プロファイル、およびその微分量を推定する手法を開発した。この手法を用いて核融合研LHD装置のデータの解析を行った。この内容をまとめた論文は現在Scientific Reports誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始後半年間でプラズマ銃から磁力線に沿ってプラズマを放出されることに成功した。計測用のトモグラフィーシステムはまだ設置準備の段階であるが、解析用アルゴリズムを他の計測器に応用することで論文を1編執筆し、投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
テスト用の<1.2mFのコンデンサバンクから電流制御可能な大型電源(<1kA)に切り替えてヘリシティ入射実験を行い自己組織化により閉じた磁気面を生成する。ヘリシティ入射直後のMHDjet, その後に励起されるkink不安定性,reconnection時の揺動などのヘリシティ入射に関わる物理現象の精密計測を行う。トモグラフィシステムの開発は当初の予定より遅れているため、HIBPやプローブ計測の利用することを検討する。
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