研究課題/領域番号 |
22K20361
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
永田 知子 日本大学, 理工学部, 助教 (00733065)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 電気抵抗スイッチング / 電子型強誘電体 / 電子強誘電体 / 電気磁気効果 / 物性物理学 / 強誘電体 / マルチフェロイック |
研究開始時の研究の概要 |
電子型強誘電体RFe2O4(R=Lu, Yb)は、電荷秩序と磁気秩序により電気分極と磁化を生じ、電気磁気効果を示す。本物質の電気磁気効果は既存の理論で説明できない現象である可能性があるが、このメカニズムは未解明である。本研究では、単一ドメインにおける直接的な電気磁気効果を測定することでこのメカニズム解明を目指す。新規現象を探索する研究でもあり、物性物理学のさらなる発展の礎になりうるものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、電気分極の磁場応答および磁化の電場応答の観測を目的として開始した。電気分極の観測に先立ち直流電気測定を行ったところ、新しい電気抵抗スイッチングが観測された。通常の電気抵抗スイッチングは2種類の抵抗状態を行き来するものであるが、本研究では3種類の抵抗状態を観測した。それぞれの抵抗状態における抵抗比は約2:1.5:1であった。試料サイズがサブミリオーダーであることを考慮すると、大きな値であると考えられる。本現象のメカニズムについても検討し、多段階の電気分極反転に起因するものである可能性が高いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、多段階の電気分極反転に起因すると考えられる多段階の電気抵抗スイッチングを見出した。多段階の電気抵抗スイッチングは、ReRAMに応用すれば0,1の2値でなく多値の記憶メモリとなるため、同じ体積により多くの情報を記録することができる。メカニズムが電気分極反転と考えられることも興味深い。本物質は電子強誘電体であり、その電気分極反転はイオン変位を伴わず電子移動のみによって実現する。これらの特性をあわせて考えると、本研究で発見したYbFe2O4の多段階抵抗スイッチングは、高速・低消費エネルギー・長寿命の多値ReRAMへの応用が期待できる革新的なものである。
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