研究課題/領域番号 |
22K20365
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
榊原 由貴 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (10804510)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 位相欠陥 / 大統一理論 / 宇宙ひも / ドメイン壁 / 大規模シミュレーション / 重力波 / 初期重力波 / ハイブリッド位相欠陥 / ニュートリノ質量 / 物質・反物質非対称性 / インフレーション |
研究開始時の研究の概要 |
未発見粒子である重い右巻きニュートリノは、ニュートリノ質量の小ささや物質・反物質の非対称性といった宇宙の謎を説明する有力候補である。しかし、加速器などによる実験ではエネルギー不足のため、重い右巻きニュートリノを探査することは困難である。宇宙は過去に超高エネルギーを経験しているため、実験では探査できない重い右巻きニュートリノを宇宙観測から探査できるはずである。本研究では、右巻きニュートリノを包含する多く理論で複合的な位相欠陥が生ずることに注目し、複合位相欠陥が発生させる重力波を解明することで、重い右巻きニュートリノを探査する。将来の重力波観測との比較により、重い右巻きニュートリノの発見を目指す。
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研究実績の概要 |
宇宙ひもを境界に持つドメイン壁のようなハイブリッド位相欠陥は、Dパリティなどの離散対称性を経由する大統一理論に普遍的に現れる。しかし、このような多段階の自発的対称に基づくハイブリッド位相欠陥の形成や形態、現在の観測との整合性について、これまで詳しく知られていなかった。我々は、そのような ハイブリッド位相欠陥をシミュレーションにより再現し、位相欠陥のエネルギー密度や重力波などの情報を取り出し、離散対称性を経由する標準模型を超える理論の検証を目指している。我々は宇宙ひもを境界に持つドメイン壁を再現するための最もシンプルなモデルとして、異なるグローバルU(1)電荷を持つ2つの複素スカラー場が相互作用する系に着目してきた。 1. 我々のモデルは、その作用の形からアクシオン暗黒物質モデルの拡張とみなすことができる。本研究では、複素スカラー場間の強さによらずドメイン壁が境界を持つことからドメイン壁問題が生じないことを間接的に示した。 2. 我々のモデルと理論構造がよく似たクロックワークアクシオンモデルでは、予言される暗黒物質量が少なく、重力波のエネルギー密度が観測可能な程大きくないという観測的困難がある。一方、我々のモデルでは、複素スカラー場間でエネルギースケールに階層性があることにより、ドメイン壁問題を回避しつつ、暗黒物質量、観測可能な重力波のエネルギー密度を予言できる余地があることを明らかにした。 3. 我々のモデルの2次元シミュレーションを行った結果、2枚の互いに異なる”宇宙ひもを境界に持つドメイン壁”が宇宙ひもの乗り換えやドメイン壁の組み換えを起こし、効果的に消滅できる可能性があることを示した。3次元シミュレーションにより、“宇宙ひもを境界に持つドメイン壁”が、円筒形状を取るのに加え、メビウス帯形状を取ることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前年度に構築した宇宙論的シミュレーションコードを改良し、MPI並列化の実装、3次元化、および、プロトタイプの構築を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
名古屋大学の大型計算機「不老」でシミュレーションの大規模化・長時間計算化を行い、ドメイン壁ネットワークがスケーリングに従うのかを明らかにする。更に、ハイブリッド位相欠陥由来の擬南部ゴールドストンボソンや重力波の現在のエネルギー密度およびスペクトルを見積もることで、我々のモデルで暗黒物質を説明しながら、ハイブリッド位相欠陥由来の重力波が観測可能であるかを明らかにする。
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