研究課題/領域番号 |
22K20371
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高取 沙悠理 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 学振特別研究員PD (90963348)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トリウム229 / 真空紫外光 / 原子核時計 / 真空紫外光探索 / TES / 超伝導転移端検出器 / 真空紫外 |
研究開始時の研究の概要 |
トリウム229は原子核遷移としては特異な極めて低いエネルギーの第一励起状態を持ち、レーザー光で励起可能な唯一の原子核である。レーザー光による原子核遷移を可能にする為には、第一励起状態のエネルギーや寿命の情報が必須であるが、この不定性が大きいが故に未だトリウム229のレーザー励起実現には至っていない。 本研究では、幅広いエネルギー領域を高い分解能で探索出来る超伝導転移端検出器(TES検出器)を新たに開発し、これまで不定性の大きかった第一励起状態のエネルギーと寿命をレーザスキャン可能な精度で決定することを目指す。
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研究成果の概要 |
トリウム229原子核はレーザー光で励起可能なエネルギー領域に第一励起準位(アイソマー準位)を持つことから、レーザーを用いた原子核時計の実現が期待される。本研究ではトリウム229をレーザー励起する上で長年の課題であったトリウム229のアイソマー準位のエネルギー不定性を解決すべく、放射光X線を用いトリウム229のアイソマー準位を生成する独自の励起手法によりアイソマー準位からの脱励起光の直接探索を行なってきた。検出系システムのアップデートを行い、最終年度ではアイソマー準位からの脱励起真空紫外光の直接検出により、トリウム229アイソマー準位のエネルギーと寿命を決定するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリウム229は極低のアイソマー準位を持つことからレーザー光で励起可能な唯一の原子核であり、この極低の準位を応用したトリウム229原子核時計は、将来的に基礎物理から社会実用までの様々な応用が期待される。レーザー光による原子核操作を可能にする為にはトリウム229のアイソマー準位のエネルギーや寿命の情報が必要だが、この不定性が大きいことがこれまでレーザー励起を実現する上での長年の課題であった。そのため脱励起光の直接観測によりトリウム229のアイソマー準位のエネルギーや寿命を決定した本研究は、トリウム229のレーザー光励起へ向けた重要なマイルストーンの達成に貢献したと言える。
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