研究課題/領域番号 |
22K20397
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉本 真 東北大学, 工学研究科, 助教 (60966852)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 気液混相流 / 格子ボルツマン法 / フェーズフィールドモデル / 熱物質輸送 / 電磁気力 / 表面張力 / 共役熱伝達 / 蒸発 / 複雑構造 |
研究開始時の研究の概要 |
固気液三相の温度場,気相中の溶媒濃度場,液相中の溶質濃度場,および気液の蒸発モデルの全てを同時に解析可能な,汎用的気液二相流解析ツールの開発を行う.開発する手法は,二相系格子ボルツマン法(LBM)をベースとする.二相系LBMは複雑構造周りの解析ならびにスパコンを用いた大規模並列解析に適しており,かつ界面変形の表現精度に優れている.開発した手法を用いて,複雑構造周りの液滴蒸発の大規模解析を実施し,液滴蒸発後に形成される三次元溶質膜の形状を制御する因子を解明する.これにより,機能性材料のインクジェット製膜技術等の向上に資することができる.
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研究成果の概要 |
本研究では,固気液三相の温度場をシミュレート可能なフェーズフィールド格子ボルツマン法の開発を試みた.しかしながら,気液界面において非物理的な熱輸送が生じることが判明した.この問題は気液界面での圧力と界面張力の不均衡に起因する非物理的な速度場によるものと考えられ,非物理的な速度場が熱エネルギー輸送方程式の移流項に代入されることで,非物理的な熱輸送を誘起していることがわかった.そこで,問題解決の第一歩として,移流項を含まない拡散方程式を解くための格子ボルツマン法の開発を行った.開発手法を応用して,電磁ポテンシャルの定常拡散方程式を解くことで,導電性気液混相流のシミュレーションを可能にした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した数値シミュレーション手法を用いて,交流ティグ溶接における溶融電極の飛散現象の解明を行った.ティグ溶接において用いられるタングステン電極は,溶融して飛散することが知られている.タングステン電極の放出は電極の消耗を早め,さらに放出されたタングステン液滴が溶接部に混入することで溶接品質の低下を招く.本研究では,数値シミュレーションによって流体運動を再現しながら,液滴飛散の力学なメカニズム解明を試みた.シミュレーション結果より,液滴の飛散には液柱のくびれた部分に作用する電磁気力と界面張力が重要な役割を果たすことがわかった.本知見は,溶接技術の向上に資すると期待される.
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