研究課題/領域番号 |
22K20405
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
今 智彦 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (50964433)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 潤滑油酸化物 / EHL / 油膜厚さ / 潤滑油劣化 / 摩擦 / トライボロジー / 潤滑油 / メンテナンストライボロジー / 潤滑特性 / 油膜厚さ測定 / 潤滑摩耗 |
研究開始時の研究の概要 |
機械要素の摩耗診断による寿命予測には、潤滑油の劣化によって潤滑特性(摩擦摩耗特性、潤滑状態など)がどのように劣化していくか、その劣化メカニズム(潤滑劣化メカニズム)を明らかにすることが鍵となる。そこで本研究では段階的に酸化させた潤滑油から溶剤抽出により抽出した酸化物単体について、その潤滑特性と成分を実験と化学分析により明らかにし、潤滑油の酸化に起因する潤滑劣化メカニズムを提示することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,潤滑油の酸化に起因する潤滑特性の劣化メカニズムを提示することを目的とし,潤滑油中の酸化物を抽出しその潤滑特性を評価する手法を提案し,検証した.潤滑油中の酸化物の抽出にはシリカゲルカラムと溶剤抽出を組み合わせて分離する手法を用い,DARTTM-MSを用いて分析を行い,酸化物成分が抽出されていることを確認した.抽出した酸化物を新たに作成した試験機を用いて油膜厚さの変化を調べた結果,より劣化した油から抽出した酸化物の油膜厚さが大きくなる傾向を示した.このことから,潤滑油の酸化劣化によって生じた酸化物の生成段階が潤滑特性に影響を与える可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特徴として,潤滑油の酸化によって生じた酸化物単体に着目し,それらを抽出しその潤滑特性を評価する手法を提案することにある.これまでのトライボロジー分野の研究は潤滑油の酸化によって潤滑油の物理・化学的特性が変化することを前提とし,それらと潤滑特性の関係を調べたものがほとんどである.本研究は潤滑油酸化物がどのような形態で存在し,どのようなメカニズムで潤滑特性に作用するのか等の解明に繋がると考えており,学術的にも意義深い.また,世界的なSDG’sの潮流の中,機械にはさらなる長寿命化が求められており,本研究は潤滑油の酸化が機械の寿命に与える影響の根本に迫ることから,社会的にも意義深い.
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