研究課題/領域番号 |
22K20408
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
顧 少杰 名古屋大学, 工学研究科, 特任助教 (00966830)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルテンサイト変態 / ヘテロ構造 / 高密度パルス電流 / 純チタンとチタン合金 / 強度と延性の向上 / 整合界面 |
研究開始時の研究の概要 |
材料の強度と延性は構造設計に不可欠である。強くて延性のある材料は、構造物の寿命を延ばし、省エネ上で重要な役割を果たす。ただし、強度と延性のトレードオフとして知られているように、いずれかの側を大きくすると、必然的に他方が損傷する。本研究では、高密度電流処理によって純チタンおよびチタン合金の強度と延性を同時に向上させる方法を発見する。微細構造により、多数の整合界面を持つマルテンサイトの生成に関連している可能性が示唆された。本研究の目的は、このような構造が生成される理由を解明することである。研究成果は、マルテンサイト相 (脆くて硬い) に対する偏見を打ち破り、航空製造業界に革命を起こす可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究は、高密度パルス電流処理技術を利用して、純チタンおよびチタン合金の強度と延性を同時に向上させることに成功した。一般に、材料の力学性能は強度と延性のトレードオフの自然法則に従い、一方を向上させると必然的にもう一方が損なわれる。本研究では、高密度パルス電流処理を用いて材料を瞬時に加熱し、迅速に冷却する熱プロセスを実現し、化学成分および微細構造の不均一性を含む異質構造を形成することで、このトレードオフを打破した。将来的には、本研究で提案した方法を他の材料にも応用し、力学性能を向上させることが可能である。これにより、持続可能な材料設計やカーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、加熱速度が10^6°C/sに達する高密度パルス電流処理によって、二相α/βチタン合金材料が条状α相、残存α相、マルテンサイトα'相、及び残存β相を含む混合異質微細構造を形成することを初めて発見した。これは、従来の熱処理方法では実現が難しいものである。この混合構造は、材料の微細構造を強区と弱区に分け、それらの協働作用によって強度と延性のトレードオフを打破した。この研究成果は、高密度パルス電流処理法を用いて他の類似した二相構造材料を処理するための基礎と根拠を提供する。
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