研究課題/領域番号 |
22K20413
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
桑原 卓哉 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (10851917)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セラミクス / 超潤滑 / 分子シミュレーション / 量子化学 / ダイヤモンドライクカーボン / 固体潤滑 / アモルファスカーボン / 分子動力学法 / 量子化学計算 / トライボケミストリー |
研究開始時の研究の概要 |
機械システムの接触・摺動部における摩擦・摩耗は、その耐久性・信頼性を著しく低下させる。シリコン系セラミクスは、優れた摩擦・摩耗特性を有することから、従来の流体潤滑剤に替わる固体潤滑剤として期待されている。しかし、過酷環境において超潤滑状態を実現する上で、原子レベルでのメカニズム・界面構造の解明が急務となっている。本研究では、原子論的シミュレーションを活用することで、シリコン系セラミクスの超潤滑発現の鍵を握る原子レベルの界面現象・構造を解明し、その発現条件を特定する。さらに、実験による実証を行い、原子・ナノスケールの界面現象・構造を制御したシリコン系セラミクスの超潤滑システムの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
シリコン系セラミクスの無潤滑環境下での摩擦係数0.01以下の超潤滑を水素化アモルファスカーボンとの摩擦により実現した。シミュレーションと実験を組み合わせることにより、水素含有量による摩擦制御が可能であることを明らかにした。水素含有量の増加はシリコン系セラミクス表面への水素化アモルファスカーボンの移着を可能にする。水素化アモルファスカーボン同士のせん断により、水素化アモルファスカーボンが有する低摩擦特性を引き出すことが可能となる。一方、過剰の水素は、表面間の化学結合生成を抑制することから、適切な量の水素含有量が重要となることを見出した。明らかになった超潤滑メカニズムは、他材料にも適用可能である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
移着膜形成は、摩擦後の表面に一般的に観察される現象であり、低摩擦化の寄与が知られていた。一方、そのメカニズムや制御方針に関しては、ほとんど知られていなかった。そこで本研究では、シミュレーションによりその原子レベルのメカニズムを明らかにし、また水素含有量の制御により移着膜の形成及び摩擦特性を制御できることを見出した。また、得られた知見が他材料へ適用可能であることを示していることから、セラミクスに限らず、様々なトライボロジー材料の低摩擦を無潤滑環境下で引き出すことが可能になると考えられる。
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