研究課題/領域番号 |
22K20418
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
田中 聖也 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (40962048)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レーザーアブレーション / 宇宙資源利用 / レゴリス / 合金 / 月 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー加熱を利用した月資源含有アルミナからのアルミニウム/酸素生成が研究されて いるが, 生成アルミニウム/酸素原子の再結合によりアルミニウム回収率が低い. 本研究ではアルミニウム回収率向上を目的に, 溶融金属への生成アルミニウム/酸素原子吹込み回収を提案する. アルミニウム原子を金属中に溶解させることでアルミニウム/酸素原子の再結合を防止し, 安定的にアルミニウムを回収するという手法である. 本研究では提案手法におけるAl-O系気体吹込みによるアルミニウム原子の溶融金属への溶解現象解明およびAl含有溶融金属からのAl析出現象解明を通して, アルミニウム回収手法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
レーザー加熱によるアルミナ還元手法での生成アルミニウム回収に向け、溶融金属を用いたアルミニウム回収手法を提案する。レーザー加熱により噴出するアルミニウム原子および酸素原子を溶融金属中に非平衡的に溶解させ、溶融金属と酸素との反応によりアルミニウム原子と酸素との再結合を防止することで、アルミニウムの回収を実現するものである。そこで本研究においては、溶融金属とアルミニウム・酸素原子の反応について、溶融金属冷却速度・溶融金属温度および化学組成をパラメータとして、XRDや電子顕微鏡を用いて物理化学的に解明する。 本年度においては、生成アルミニウム・酸素原子と溶融金属との反応を検証するため、金属溶融とレーザー加熱を両立する光学系・温度制御系を構築した。溶融金属はコイルヒーターからの入熱および溶融金属容器の冷却水、ガス噴射による冷却で温度が決定される。そこで流体数値解析コードおよび二色法による温度実測結果を利用することで溶融金属温度制御手法を確立した。またこれらに加えて、100 W級のレーザー加熱系を構築した。従来の10分の1程度のレーザーパワーで行うことで、生成するアルミナ蒸気の溶融金属温度への影響を軽減するものであるが、十分なレーザー強度を確保するためレーザー集光系を変更することで、影響の軽減とアルミナの還元を両立した。今後は本実験系を用いて溶融金属中へのアルミニウム・酸素の溶解実験を行う。 金属溶融系およびレーザー光学系の構築が完了し、溶融金属によるアルミニウム回収実験への準備が整った。また予備実験として行った金属溶融実験においては、溶融金属がチャンバー内の酸素と反応しないよう酸素分圧の制御にも成功しており、アルミニウム・酸素原子の溶解実験に対する対照実験は完了している。本結果との比較により、溶解実験の考察が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金属溶融系およびレーザー光学系の構築が完了し、溶融金属によるアルミニウム回収実験への準備が整った。また予備実験として行った金属溶融実験においては、溶融金属がチャンバー内の酸素と反応しないよう酸素分圧の制御にも成功しており、アルミニウム・酸素原子の溶解実験に対する対照実験は完了している。本結果との比較により、溶解実験の考察が可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は構築した実験系を用いてアルミニウム・酸素原子の溶解実験を行う。溶解後サンプルはXRDや電子顕微鏡により解析し、アルミニウムの存在確認や結晶構造の測定を行う予定である。また溶融金属の材料としてこれまでFe, Cu, Niを予備実験において用いたが、結果に応じてSn, Pbなど他の金属材料も用いてアルミニウム回収への材料的影響を検証する予定である。
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