研究課題/領域番号 |
22K20423
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 拓也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20965694)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 窒化ガリウム(GaN) / 高周波トランジスタ / ドリフト速度 / 二次元電子ガス(2DEG) / 高電子移動度トランジスタ(HEMT) / 高電界物性 / ワイドギャップ半導体 / 窒化ガリウム / パワーデバイス / 高周波デバイス / 高電界効果 |
研究開始時の研究の概要 |
窒化ガリウム(GaN)は高い絶縁破壊電界(~3 MV/cm)および高い電子移動度を有しており,次世代パワーデバイスの材料として期待されている.パワーデバイスの実用化に向けてGaNの基礎物性の理解が不可欠であり,近年,勢力的に研究が進められているものの,未解明の物性が多く,特に高電界を印加可能であるワイドギャップ半導体に特有な物性の理解は,学術的・工学的に重要であるにも関わらずほぼ未開拓である.そこで本研究では,高電界下におけるGaNの電子物性を解明することに挑戦する.
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研究成果の概要 |
本研究では,窒化ガリウム(GaN)系高周波トランジスタの高度な設計や特性の理解に向けて,AlGaN/GaNヘテロ接合界面に分極誘起される二次元電子ガス(2DEG)のドリフト速度を詳細かつ系統的に調べた.コンタクト抵抗を極力低減するために埋め込み再成長n+GaNを有する伝送長法(TLM)測定用素子を作製し,パルス幅が1 us以下のパルス電流-電圧(I-V)測定によって自己発熱を極力低減することに留意しながら,様々な寸法(幅, 長さ)の電流経路に対するI-V特性を得た.I-V特性を解析して速度-電界特性を抽出したところ,寸法によらず一貫した速度-電界特性を得ることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた結果は,AlGaN/GaNヘテロ接合における2DEGのドリフト速度-電界特性の決定版というべき結果である.様々なAl組成の素子を作製し,どの特性を詳細かつ系統的に調べることで,電界依存性や電子濃度依存性,温度依存性を包括的に明らかにすることに成功した.特に,測定用素子の構造や測定手法を工夫することで,誤差要因を徹底的に排除し,非常に精度のよい値が得られたことが特色・独自性である.これらの結果は,GaN高周波デバイスの高電界輸送を理解する際に非常に有益であり,次世代高周波通信を担うデバイスの性能理解に大きく役立つ結果である.
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