研究課題/領域番号 |
22K20448
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
角田 貴之 中央大学, 理工学部, 助教 (30963574)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 下水処理 / 膜分離活性汚泥法 / 膜ファウリング / バイオポリマー / LC-OCD / 水晶振動子マイクロバランス / QCM |
研究開始時の研究の概要 |
MBRは下水処理の高度化を実現する技術であるが、膜ファウリングの制御が課題である。申請者はこれまでに下水処理場に設置したパイロットスケールMBRを連続運転し、MBR活性汚泥のファウリングポテンシャル(膜ファウリングの起こりやすさ)はバイオポリマーの槽内濃度と相関が強いことを実証した。本研究ではMBR槽内からバイオポリマーのみを選択的に回収・精製し、バイオポリマーのどのような質変化がファウリングポテンシャルを変動させているのかを明らかにする。さらに、水晶振動子マイクロバランス法(QCM法)を用いて、新規耐ファウリング膜の開発・製作に不可欠となる「ファウリングの起こりづらい」材質を提示する。
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研究成果の概要 |
MBRにおける膜ファウリングの発生にはバイオポリマー(BP)が強く関与する。本研究では、実都市下水を処理するパイロットスケールMBRから性質が異なるBPを回収・精製することに成功した。低分子BPの存在比が高くなることで不可逆的ファウリングが深刻化する可能性を見出した。水晶振動子マイクロバランス法(QCM)により精製BPと膜材質との親和性を評価したところ、親和性の高さとMBRにおける膜ファウリング発生速度の序列が一致していた。BPによるファウリングを回避するための膜材質として、セラミックが有用である可能性が示唆された。BPの中では、細菌の細胞壁由来の多糖類が重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では世界に先駆けて実都市下水を処理するパイロットスケールMBR槽内BPの詳細な特性を検討した。BPの諸特性変化とMBRにおける膜ファウリング発生の関係が明確に示された。また、BPによる深刻な膜ファウリングを回避するための膜材質として、セラミックが有用である可能性を見出した。細菌の細胞壁由来の多糖類はBPの重要な構成成分である可能性が高く、今後従来のBPモデル物質(アルギン酸ナトリウム)に代わる適切なモデルBPを提案できる可能性が示された。
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