研究課題/領域番号 |
22K20455
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
大泉 伝 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 研究官 (00649569)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 洪水予測 / 災害リスク / 大アンサンブル / 洪水リスク / アンサンブル予報 / キキクル / 浸水予測 / アンサンブル予測 / アンサンブル気象予測 |
研究開始時の研究の概要 |
短時間の豪雨の増加と都市部への資産集中や地下空間利用の高度化により、浸水の被害規模は増加傾向にあり、正確な浸水予測が求められている。しかしそのために必要な豪雨の予測は決定論的な単一の気象予報では難しいため、アンサンブル気象予報を用いて行う必要がある。本研究では気象庁の「流域雨量指数」と「表面雨量指数」、巨大アンサンブル気象予報を用いて浸水範囲と浸水危険度の確率予測を行い、その有効性を明らかにする。さらに浸水危険度の確率情報と人口分布を解析し、被災者数を確率的に予測する手法の開発をする。このような予測情報は早期の避難判断に役立ち、浸水による人命・財産への被害軽減に貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
顕著な気象現象の事前予測が難しいことはよく知られている。気象学の分野においては多数のアンサンブルメンバーによる大アンサンブル予報の有効性が報告されている。また洪水予測の分野においても大アンサンブル予報の有効性は認識されつつある。 本研究では前年度までに気象庁の流域雨量指数と1000メンバーのアンサンブル予報を用いた洪水のアンサンブル予測システムの開発に取り組んできた。開発したシステムを用いて2020年7月に球磨川流域で発生した洪水事例で検証を行い、1000メンバーの気象予報データがあれば12時間前に球磨川で洪水予測できることを明らかにした。一方で小規模河川では大規模河川ほど洪水のリスクが予測できていなかった。そこで本研究では2020年7月4日の球磨川での洪水事例で球磨川に接続する36の支流を対象に1000メンバーの気象予報データを用いた洪水予測の予測精度を調べた。 球磨川の支流を流域面積で分類すると20km2以下が12河川、40km2以下が17河川、100km2以下が6河川、100km2以上は川辺川の553km2のみであった。20km2以下の河川では1000メンバーの気象予報データを用いることで洪水のピークの時間帯に洪水のリスクが高まる傾向を示した。40km2以上の河川についても同様の傾向が見られた。しかし洪水の規模については十分に予測できなかった。流域面積が一桁大きい川場川では1000メンバーが警報級の洪水が60%の確率でピーク時に起こることを12時間前に予測した。 本研究では小規模河川においても1000メンバーの気象予報データを用いることで洪水の発生リスクを予測できる可能性を示した。一方で洪水の規模については十分な予測ができない事も明らかになった。この結果を検証するためには事例や流域面積のサンプルを増やして大アンサンブルの有効性を検証する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1000メンバーのアンサンブル予報を用いた洪水予測については論文としてまとまり、投稿準備が整っている。また当初予定していなかったタイムラグアンサンブルを用いた結果も良好であり、少数アンサンブルでも良い結果が得られる可能性が示されている。
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今後の研究の推進方策 |
1000メンバーのアンサンブル予報を用いた浸水の予測実験を行う。浸水のリスクと被害推定のデータを解析し、当初の目的である浸水リスクの推定手法を確立する。 タイムラグアンサンブルにも着目し、少数メンバーの予報を工夫して使うことで洪水のリスク予報の精度を高められないか検証を行う。
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