研究課題/領域番号 |
22K20456
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
佐藤 樹 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 研究官 (20965628)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セメント固化処理土 / 地盤改良 / 固化処理土 / セメント改良土 / 透水劣化 / 長期強度 / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
透水試験装置を用いてセメント固化処理土の変質を促進させ,短期間で長期強度を再現し、長期水中暴露実験によるセメント改良土の強度変化メカニズムの解明を目指す。 具体的には,透水装置を用いて圧力をかけて固化処理土供試体に水を短期間(数か月程度)通水し,長期間暴露の状況を再現したうえで,一定期間ごとに供試体を取り出し,一軸圧縮試験や針貫入試験,SEM,化学分析などを用いて強度や変質を評価する。 最終的には、セメント固化処理土の長期的な安定性の評価・予測手法を開発を目標としている。
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研究成果の概要 |
本研究では,セメント固化処理土への加圧透水実験装置の開発と,セメント固化処理土の長期的な劣化メカニズムの解明を目標として,促進変質実験と海水曝露実験を行った.主な成果は以下の5つである。 ①高圧で同時に30供試体を実験できる新型加圧透水実験装置の開発に成功した.②透水により固化処理土の透水係数が低下していくことが分かった.③固化処理土において,透水に夜カルシウム溶出量と強度低下に正の相関があることが分かった.④固化処理土の劣化は,海中の方が水中よりも進行が早いことが確認された.⑤固化処理土の水中曝露による劣化を,曝露面からの距離,時間,強度の3つの軸で構成される空間内の曲面で表す式を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
土木工事において,軟弱な地盤の性状を改良することは構造物の安定化を図る為に非常に重要であり,この目的で最も広く用いられている工法の1つが,土にセメント等の固化材を混ぜて土を強化する地盤改良工法である。これらの基礎技術開発はすでに進んでいる一方で,酸性雨,地下水,海水等の作用がセメント固化処理土の長期的な安定性に与える影響は十分に解明されていない。そのため設計,施工及び維持管理における技術的配慮事項が不明瞭なまま,暗黙知に支えられているのが現状である。その長期的な劣化機構が明らかとなれば,様々な土木構造物の長期的な維持管理の品質向上が期待できる.本研究は,その一助となるものである.
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