研究課題/領域番号 |
22K20461
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
福本 晃治 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 特任准教授 (50964772)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 木質構造 / ドリフトピン接合 / 履歴性状 / スペーサ / 支圧強度式 / 構造解析モデル / 接合部 / ドリフトピン / スペーサー / 耐震性能 / 鋼板挿入型ドリフトピン接合 |
研究開始時の研究の概要 |
木質構造の接合部の形式のうち、鋼板挿入型ドリフトピン接合は代表的な形式として最も普及しているものの一つであるが、その履歴特性はスリップ型を示し地震時のエネルギー吸収能力に乏しい。 そこで、本研究は、スペーサを用いることでドリフトピンの曲げ塑性変形が可能となるスペースを木材の内部で確保し、ドリフトピンの曲げ塑性変形により接合部の履歴性状を改善し、構造全体の耐震性能の向上を図ろうとするものである。
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研究成果の概要 |
本論ではドリフトピンをスペーサに通し,周囲の木部への支圧応力を分散することで木部へのめり込みを少なくすると同時に,ドリフトピン周囲に空洞を設けドリフトピンのみを曲げ降伏させることで,履歴吸収エネルギーを獲得する接合方法を考案した.静的加力実験と静的弾塑性解析を実施し,以下の結果が得られた. (1) スペーサにより,母材厚105mmかつφ=12mmのドリフトピン及びボルト接合では履歴性状が改善されたが,変形性能は低下した.(2) ドリフトピン接合における木材の支圧強度の算定式として,大径のスペーサを用いた場合においても繰り返し履歴を含めSawata/Yasumura式の良好な適用性が確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ある径まではスペーサによる履歴性状の改善が得られた一方で,全体の径が大きくと木材側の支圧強度が低下し,エネルギー吸収性能の向上が期待できないという結果が得られた. この性状を構造解析により再現しようとした際,既往のSawata/Yasumura式を適用することで良好な適合性を得られ,更に正負交番繰り返し荷重における履歴形状についても良く再現された.これは,本研究にて提案したスペーサ付きドリフトピン接合のみならず,鋼板挿入型ドリフトピン接合等の曲げ降伏型の接合形式全般に適用が可能と考えられ,再現性の高い構造解析モデルを提示することができ,当初は想定していなかった学術的成果となった.
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