研究課題/領域番号 |
22K20490
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2022) |
研究代表者 |
岡崎 めぐみ 東京工業大学, 理学院, 助教 (50967247)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酸化ニッケルナノ粒子 / 水の光酸化反応 / 電子の化学ポテンシャル / ルテニウム錯体 / pH緩衝剤 / 擬過電圧 / ホウ酸 / リン酸 / 人工光合成 / 半導体光触媒 / 金属酸化物ナノ粒子 / 水の酸化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光から水素を得られる半導体光触媒の活性を決める一つの要素として、反応場としての役割を持つ助触媒が挙げられる。その効果を最大限引き出すためには、助触媒固有の性質を理解することが重要である。しかし、半導体表面にナノ粒子として担持された助触媒に対し定量的かつ詳細な調査を行うことは難しく、そのため学理に基づいた助触媒選定指針は未だ確立されていない。本研究では、水の酸化助触媒に対し、それらが有する電子の化学ポテンシャルを測定することで、各種半導体光触媒に対する助触媒の原理的な選定指針の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、TiO2表面上に水の酸化触媒に担持された酸化ニッケルナノ粒子(NiOx)に対し、Ru光増感剤を用いた水の光酸化反応を行うことで「半導体励起を伴わない反応系」によるNiOxの水の酸化触媒能を調査した。その結果、NiOxの水の酸化触媒能は、用いるpH緩衝剤によって著しく変化することが明らかとなった。水の酸化反応が触媒的に進行するpHの閾値から、反応の進行に必要な電子の化学ポテンシャル(=反応ポテンシャル)を算出した。反応ポテンシャルと水の酸化電位の差、すなわち水の酸化反応に対する擬過電圧を計算すると、リン酸水溶液中では0.51-0.52V、ホウ酸水溶液では0.35-0.38Vとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電気化学的な水の酸化触媒としてNiOxを用いた場合、電解質によって活性が大きく変化することが知られていた。その一方、不均一系触媒としてNiOxを用いた場合の、水の酸化反応に対する擬過電圧の定量的な差を可視化した例は本研究が初めてである。したがって本研究では、水溶液中に懸濁しているナノ粒子に対し、電極触媒で立証されている現象を初めて観測できた。不均一系触媒において、非電気化学的な「反応ポテンシャル」の観点から水の酸化触媒能を定量的に論じることが可能となったことから、触媒の材料探索だけではなく、触媒周辺の外圏的要因も考慮した反応系構築の実現が期待される。
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